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SF50年

先日録画しておいたNHK『ETV特集 21世紀を夢見た日々~日本SFの50年~』を観た。「SF文学から音楽、映画、アニメ、そしてオタク文化へとつながる歴史を追う」という謳い文句だったので、50年のSFの歴史を通史的に見るのかと思っていたら、番組の大半は「SF第一世代」と呼ばれる日本のSF界の大御所たちの奮闘振りを描くことに割かれていた。

日本にSFのファンクラブが生まれて50年、伝説的なSF作家たちのグループ「SF作家クラブ」が結成されて45年なのだそうだ。『鉄腕アトム』や『エイトマン』を観て育った私にとってはSFというジャンルは身近にあるのが当たり前のもので、もっとずっと以前から日本にあったのかと思っていたが、まさにその創成期の作品を観ていたのだという事実を今回初めて知った。ラッキーだったナ♪ 

「SF作家クラブ」には錚々たる顔ぶれが並んでいる。小松左京、半村良、福島正実、星新一ら11人で発足。後に、筒井康隆、豊田有恒、平井和正、眉村卓等々、そして我らが手塚治虫も参加している。小説家だけでなく漫画家や映像関係者にも広く門戸を開けていたわけだ。もちろんその当時は20~30代の若手作家ばかり。月1回程度皆で寄り集まっていたらしいが、科学の話をするだけではなく旅行などにも行ったりして、なんだかとっても楽しそうだ。純文学の作家とは一線を画すものとして認識されていたようなのが、いかにも創成期らしい。何事でもそうだろうが、新しい分野を開拓しようという意気込みとエネルギーというのは良いものだと、憧れを持ってそう思う。

番組では先に挙げた『鉄腕アトム』や『エイトマン』(克美しげるの歌声がばっちり聴けた)の他に、『スーパージェッター』『ウルトラQ』『タイムトラベラー(原題:時をかける少女)』『謎の転校生』『宇宙戦艦ヤマト』『ガンダム』等々が紹介されていて、なんとも懐かしかった。

今のSF作家たちは「SF第三世代」なのだそうで、その代表として漫画家、CMディレクター、アニメ監督の3人が語っていた。もうたいていのことはやりつくされているので、今はディテールと心理描写に凝る傾向があるという話には、よく知らないながらもなんとなく納得。ここで『エヴァンゲリヲン』などが紹介されていた。しかし、アニメ監督が言っていた「やっと世間のほうが追いついてきた、ざまぁみろ」的な発言にはちと不快感を覚えた。それは第一・第二世代の作家たちが頑張って築き上げた土壌があるからだろう。文壇で異端視されながら、こんな荒唐無稽な漫画は悪書だと作品を燃やされながら、それでも当時の小説家や漫画家が頑張ってきたおかげだろう。最初からすんなり作品を受け入れられてきた第三世代の作家が言うべき言葉ではないような気がしたことを書きとめておく。

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