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図書館という迷宮

『ふしぎな図書館』(村上春樹著 佐々木マキイラスト)読了。既に文庫化もされているが、大好きな作家さんの、それも図書館をテーマにしたものだったから、思い切ってハードカバーを買った。

このストーリーに意味を求めてはいけないんだろうな。はっきり言って、何が書かれているのかわからない。たぶんそれを考えるのが読者の役目であって、100人の読者がいれば100通りの解釈があるのだろう。そういう意味で、なんだかすごい本だ(笑)。

元図書館司書の目で読むと、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの『バベルの図書館』をまず思い出した。同じ六角形をしたたくさんの閲覧室、すべて同じ体裁でページ数も字数も決められた膨大な図書。ここには宇宙の全てが詰まっている。過去も未来も、そして謎も……。

さらに思い出すのはウンベルト・エーコの『薔薇の名前』だ。知識が増えれば増えるほど謎が深まるという、身体が捩れそうな想いをする作品らしいが(注:非常に悔しいことに、私はこの本をまったくと言って良いほど理解できなかった。字面だけは最後まで追ったのだが。いつかリベンジしてやりたいと思う最有力候補作品である。ショーン・コネリーの映画は観た。何故か「イエスが持っていた財布はイエスの私有財産と言えるかどうか」という議題だけがやたらと印象に残っている)、これも図書館(=知)を題材にしたミステリだ。

ボルヘス、エーコ、村上春樹……、それぞれが知の迷宮に迷い込む楽しさを語ってくれている感じだ。果たしてそういう読み方が正しいのかどうか、わからないのだけれど。

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