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光源氏とBJ

「CREA読者が選んだマンガでいちばん惚れた男」というアンケートがあって、われらのBJ先生はどうだろうと思って見てみたら、なんとなんと2番目に挙がっているではないか! 第2位ということなのだろうか。よりにもよってきらきらしい光源氏の隣だからひときわ黒ずんで異彩を放っているが、読者のコメントはなかなか的を射ている。「色気があって、大人なところ」「天才・大怪我・マザコンという設定が秀逸」「命の重みを誰よりも知っている。多くを語らないところが魅力的」。

少女マンガにおいて一番のテーマは恋愛であることが多いし、そうでない作品でも読者の少女たちはその男性登場人物の恋愛形態を想像する。あとの大方の入選者たちがそういう恋愛関係事情をコメントされているのに対して、BJ先生の場合はその生き方についてのコメントがされていてなかなかよろしいと思う。少年マンガには本来そういう側面がある。いろんな困難にどうぶち当たってどう処理していくかとか、何を理想として目指すのかとか、そういった男の生き方が一番のテーマなのであって、彼女とどう付き合うかなんてことは副次的な要素に過ぎない。そんな少年マンガである『BJ』なのに、女性が対象のアンケートでこんなに上位にランクされているのは嬉しい。まぁね、BJ先生に男の色気があることは決して否定しないけれども。(^ー^)にへら~

BJ先生のほかは、『エースをねらえ!』の宗方仁と『はいからさんが通る』の青江冬星と『ベルサイユのばら』のフェルゼンくらいしかロクに知らないのだが、読者のコメントを見る限りでは、女性の男性に対する好みは大きく二つに分かれるようだ。「クールでちょっとワルい男」と「一人の女性を一途に愛する男」である。相反するようだが、女性の本音は「クールでちょっとワルくて浮名を流したりもするけれども、それは単なる浮気なのであって、本当は一人の女性(すなわち自分)を一途に愛してくれる男」が一番よいのである。もっとぶっちゃけて言えば「彼ったら女性にはモテるけど、彼が本当に愛しているのはこの私なのよ!」と思いたいわけで、これがおおよその女性が思い描く最高の恋愛形態であると言っても過言ではなかろう。……と思うがどうか?(経験値が低いためちょっと弱気)

BJ先生はそういう女性側の好みにぴったりマッチする。如月先生を除いては恋愛事情はほとんど描かれていないが、いつぞや書いたように女性からはやたらにモテる。クールでちょっとどころじゃないワルである。そして心の中ではただ一人の女性(私ならここに如月先生の名を当てはめるが、穿った見方をすればBJ先生のおかあさんというのもアリだろう)を一途に想い続けている。典型的なドン・ファン型のプレイボーイであり(そう思っているのは私だけかもしれないが)、これはお隣の光源氏と同じである。……ちょいと『源氏物語』と『BJ』の登場人物を比べてみよう。

桐壺更衣  BJ先生の母(幼い頃に死に別れた薄幸の母親)
藤壺中宮  如月先生(結ばれてはいけない女性)
紫の上   ピノコ(手塩にかけて育て上げた女性)
あと、官能的な朧月夜をBQ、守るべき存在の玉鬘を山下クミさん、というあたりでどうだろう。

光と闇。対照的にも思える光源氏とBJだが、マザコンあり悲恋ありで、その恋愛模様はけっこう似ていると思うのである。ちなみに、BJをドン・ファン型でありカサノヴァ型でないと思う理由はBQに対する態度である。BJがカサノヴァならBQを抱え込んで放さないと思う(笑)。杉並井草なんかもそうだろうな。ちなみにドクター・キリコは来るもの拒まず誰でもOKのカサノヴァ型のような気がする。なんとなく(笑)。

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