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聞けば おまえまだ独身だっていうじゃないか

・「ピノコ生きてる」 
ピノコ「ね 先生。先生が見てきえいだと思ったや……ピノコと結婚ちてくえゆ?」
BJ「……ああ してやるよ」

・「かりそめの愛を」 
青鳥ミチル「ブラック・ジャック先生と結婚したいわ。いちばん最初の人と決めたんですもの」
BJ「私はあなたなんかと結婚できる男じゃない」
青鳥ミチル「先生…独身……?」
BJ「誤解しないでほしいね。私にその資格がないといってるのだ」

・「霧」 
美江「奥さんあるの? 先生…」
BJ「奥さんはない!」

・「土砂降り」 
清水きよみ「なぜ結婚なさいませんの」
BJ「わたしはゴロツキでね。医者の世界ではハナツマミ者なんです。結婚なんてできる身じゃないですよ」

・「終電車」 
BQ「ねえ先生……先生はなぜ結婚なさらないの」
BJ「結婚。そんなこと考えてみたこともなかった」
BQ「やっぱり手術に生きがいを持ってらっしゃるのね?」
BJ「…………」

BJ先生が自分の結婚について語ったセリフを書き出してみた。ピノコはこの際別格としても、BJ先生モテてます。モテまくってます。そもそも女性が男性に向かって結婚しているかどうかを尋ねるのは、相手に非常に関心がある場合だけだ。結婚していると分かればそこまでの付き合い方になるし、独身だと聞けば自分の今後の人生にも関わるかもしれないことであるからそれなりの攻略法を考えなくてはならない。最初からどーでもいいと思っている男にはそんなこと訊こうとも思わないわけで、ここに挙げた女性陣がそれぞれBJに好意を持っているのは間違いない。ミチルの場合は初対面なので単に質問しただけとも考えられるが、もしも一番最初に部屋に入ってきたのがBJでなくチンクのおとっつぁんのようなご面相の男性だったら、この娘は「2番目の人にするわ」と言い張るに違いない(断言)。BJはその第一印象でミチルの基準をクリアしていたと思われる。

で、それだけ好意をほのめかされたBJ先生の対応はどうかというと、「資格がない」「結婚なんてできる身じゃない」「考えてみたこともなかった」…である。こういう返答を聞くと、天性のプレイボーイなのか、天然の鈍感男なのか、判断に迷う。実際、ギッデオン伯爵夫人の恋心には全然気付いていなかったという例もあり、相手の好意にまったく関係なくただ単に「どうして結婚しないのか」という問いに自虐的に答えただけという可能性もなくはない。

しかし私は、いずれの場合も相手を傷つけることなく自分を貶めることでそういう話題を回避しているという点で、天性とは言わないまでも、かなり手馴れた印象を受ける。「(付き合ってもいいけど)結婚はしませんぜ」と最初からやんわり断っているように思える。ただし「B・J入院す」ではこれをやって自意識過剰で失敗している(笑)。

結婚というのはBJにとってどういうものなのか。既に結婚しているのかと疑って「先生…独身……?」と尋ねたミチル(これは本当は「先生…既婚者……?」と尋ねるべきだろう)への返事が「誤解しないでほしいね」という点に、なんだかとても興味をそそられるのは私だけだろうか。ただイエスかノーで答えればよいと思うのに、「誤解するな」とは。美江に向かって言った「奥さんはない!」の「!」も妙に勢いがあって、既婚者だと思われるのがそれほど嫌なのだとしか思えないのである(笑)。独身の方が女性にはモテるからねぇゴニョゴニョ(以下略)。

与太話はこれくらいにして、真面目にBJ先生の結婚観を探ってみる。まず「資格がない」とはどういう意味か。結婚に関して法律上唯一の資格は年齢だが、まさかBJが18歳未満ということはない。彼の言うところの結婚の資格とは、妻や子を幸せにできる力の有無だろうと思う。医者としての力量は申し分ないが、なにしろモグリだからしょっちゅう警察に引っ張られるし、医師連盟からも目を付けられている。そんなことでは家族を安心させることはできない、というのが一つ。二つ目のもっと大きな理由としては、家族にまで危険が及ぶようなヤバい仕事も多いということ。実際、ピノコは何度も危ない目に遭っている。妻や子を人質に取られたらBJは相手の言うなりになるしかない。BJのような仕事では守るべき家族がいるのはマイナスであり、結果としてハードボイルドな一匹狼にならざるを得ないと思われる。

あと、考えられる理由としては、親の敵討ちをしなくてはならないこと。まさか返り討ちにはならないだろうが、やりようによっては罪に問われる可能性大。BJは基本的にアウトローなのだ。更に私が強力プッシュする理由は、めぐみさんの存在である。彼女はBJのためを思って身を引いた。そして生涯どの男性とも結婚することはない。そういうとき自分だけ別の女性と結婚したりできようか? BJなら絶対しない。と私は信じて疑わない。

よって、私の脳内で確立されたBJ先生は恋愛をすることはあっても結婚はしない。誰かと平穏な家庭を築いてデレンデレンするようなBJは既にBJではない。彼の生き方は常に風に向かって突き進んでいるイメージがある。そしてピノコは彼の同志なのだと思う。実際にピノコを人質に取られるとBJは弱いが、基本的にこの二人は互いに寄り掛かり合うような関係ではなく、共に同じ方向を向いて並んで歩いていく、信頼し合う同志というような間柄であると考える。だから仕事で長く家を空けるときにも、危険を承知でBJはピノコにひとりで留守番をさせておくことができるのだ。「ついていく」「ついて来い」の『BJ21』での二人の関係はあまりにも生温いものだったと思う。原作の二人のほうがはるかに強い信頼で結ばれている。

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