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The Killing Doctor

先日はBJ先生に限定したバトンに答えさせていただいたが、これに倣って、ピノコやキリコのバトンもあってもよいと思う。どなたか作ってくださらないかな。回答者が彼らに対してどんな像を思い描いているのかが如実に判ると思うのだが。

さてきょうは、ハロウィン月間(?)に因んでドクター・キリコに関連するあれやこれやをメモ書き。

●キリコの名前の由来は「切子グラス」という説がある。だからこそアニメ版でのキリコの父は「エド(エドワード)」と命名されたのだろうと思うのだが(江戸切子)、そもそもは“Kill”から取られたものではないのかという思いを捨てきれない。「弁があった!」の英文タイトルは“The Killing Doctor”だし。「ピノキオ → ピノコ」と同じく「キリング → キリコ」という連想なのではないのかなぁ。

●実在の安楽死医ジャック・ケヴォーキアンの伝記映画『ユー・ドント・ノウ・ジャック』ができるという話を夏前に聞いた。その後どうなったのだろう。彼を演じるのはアル・パチーノ。ケヴォーキアンが作った自殺装置にはタナトロンとマーシトロンがあるが、超音波が出るわけではないようだ。

●先日、死刑に関する本を読んでから、その刑務官の心情をどこかで読んだような気がしてならなかったのだが、森鴎外の『高瀬舟』だったことに思い当たり再読してみた。罪人に情をかける同心・羽田庄兵衛がそれだ。そして、そこに書かれた罪人・喜助が行った弟殺し(安楽死)は、否応なくドクター・キリコを思い出させた。

この安楽死について、鴎外は次のように書いている。
「……今一つは死にかかっていて死なれずに苦しんでいる人を、死なせてやるという事である。人を死なせてやれば、すなわち殺すということになる。どんな場合にも人を殺してはならない。『翁草』にも、教えのない民だから、悪意がないのに人殺しになったというような、批評の詞があったように記憶する。しかしこれはそう容易に杓子定規で決してしまわれる問題ではない。ここに病人があって死に瀕して苦しんでいる。それを救う手段は全くない。傍からその苦しむのを見ている人はどう思うであろうか。たとい教えのある人でも、どうせ死ななくてはならぬものなら、あの苦しみを長くさせておかずに、早く死なせてやりたいという情は必ず起こる。ここに麻酔薬を与えて好いか悪いかという疑いが生ずるのである。その薬は致死量でないにしても、薬を与えれば、多少死期を早くするかもしれない。それゆえやらずにおいて苦しませていなくてはならない。従来の道徳は苦しませておけと命じている。しかし医学社会には、これを非とする論がある。すなわち死に瀕して苦しむものがあったら、楽に死なせて、その苦を救ってやるがいいというのである。これをユウタナジイという。楽に死なせるという意味である。高瀬舟の罪人は、ちょうどそれと同じ場合にいたように思われる。私にはそれがひどくおもしろい。」(『高瀬舟縁起』より引用)

鴎外自身、長女茉莉と次男が同時に百日咳にかかり次男が死亡したとき、茉莉にモルヒネを注射して安楽死させようとした事実がある。このときは妻の父親が止めに入って事なきを得たが、そういう事実があったことを踏まえた上で上記引用の文章を読むといっそう身につまされるものがある。

軍医であったこと、身内の者に安楽死を施そうとしたこと。鴎外は未遂、キリコは完遂の違いはあるが、生身の鴎外はキリコを彷彿とさせる。

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2009halloいつもお世話になっておりますトーレスさんから、DLFのイラストを頂いて参りました。
めちゃくちゃカッコよくて迫力のあるドラキュラBJとミイラ男キリコです! 先生はそのまんまでシックリきてますし、テーピングキリコも何故かこんな格好がとってもお似合い。ナイス コスプレ!(違)
BJ先生のセリフは間(はざま)繋がりで「血ぃ吸うたろか」でしょうかやっぱり。うん。先生になら吸われてもいいかも。ある意味、永遠の生を約束してくれるドラキュラ伯爵を演じられるのはBJ先生だけでしょうね。←それは美女だけ。しょぼん。
琵琶丸は何の役なのでしょう。三途の川の渡し守カローンという趣きですが、キム/タクがどんな役をやってもキム/タクである如く、琵琶ちゃんも自分のキャラのまま堂々と風景に溶け込んでいらっしゃいます。そしてその足に踏んまえているのは、もはやこの人しかいない、かぼちゃ白拍子(爆)。わあ、怒ってる怒ってる。もうすぐ馬車になるんですよね(違う話)。
このメンツで踊る「スリラー」が是非見てみたくなる素敵なイラストです。トーレスさん、どうもありがとうございます。m(_ _)m

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コメント

BJ語りの日だからと思って覗いたんですが……。

あれ〜?

『手塚治虫極めつけ1000ページ』の話題じゃなかった〜。

投稿: もりびと | 2009年10月20日 (火) 11時09分

もりびとさん
それは暗に、買って読め!と?(笑)
う~ん、どうしましょう。『手塚治虫文庫全集』全200巻を予約したので、たぶん重複するんですよね。
でも解説なんかは読みたいしなぁ。
う~ん、買ってしまいそうな自分が怖い(笑)。

投稿: わかば | 2009年10月20日 (火) 15時55分

あぁ。そっちですか(笑)

うちのお店では石ノ森さんのを予約された人がいました。

あの世代の漫画ファンは根強いですね。

投稿: もりびと | 2009年10月21日 (水) 11時19分

もりびとさん
石ノ森先生のマンガも大好きです。素晴らしく絵が綺麗ですよね。
昔のファンがそのままずっとファンでいるのか、新たなファンを獲得しているのかわかりませんが、今でも読み継がれている作品というのはだいたい完成度が高いですよ。いつ読んでも古ぼけたり色褪せたりしません。

投稿: わかば | 2009年10月21日 (水) 19時03分

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