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『BJ』に出てくる医学の本

先週書いたOVAの感想の中で、BJ先生およびドクター・キリコは1921年に出版された本まで読んでいることにびっくりしたというようなことを書いた。医学の世界は日進月歩だから、自分の専門分野に関してカレントの記事を読むだけでも大変なことなのに。BJ先生、家ではいつも机に向かっているので勉強家であることは間違いない。書棚だけでは収まらないのか、暖炉の上にまで分厚い本が並んでいたりもする。しかし、いったいどんな本を所蔵しているのか、背表紙にタイトルが書かれていないのがすこぶる残念である。

それでも何か手がかりはないかと、『BJ』シリーズ中に医学の本を探してみた。

●「ブラック・ジャック病」で、自分の名前を病名につけられて怒り心頭に発しているBJ先生。病名を変更できないものかと山田野先生に相談したとき、山田野先生が持ち出したのが病名がたくさん載っている本で、「万国命名規約という規則があってのう。一度命名した病気は雑誌に発表されて 登録されるんじゃ。ブラック・ジャック病も登録されとる」とのこと。しかしこの「万国命名規約」というのは書名ではないらしく、現実には見つからない。

いろいろ検索してみると医学関連では『国際細菌名規約』というのがあるが、病名ではないしなぁ。現代では、WHOの疾病及び関連保健問題の国際統計分類ICD-10に基づいた『ICD10対応電子カルテ用標準病名集』というのがそれに当たるかもしれない。まあいずれにせよ、BJ先生は所蔵していなかったから山田野先生に見せてもらっているのだが。

ちなみに山田野先生の本に載っている病名は“BLACK JAC…CH KRANKHEIT”。「…」の部分が山田野先生の指に隠れていて読めない。ドイツ語にお詳しい方、ここにどんな綴りがくるのかご教示ください。m(_ _)m

●「ピノコ・ラブストーリー」で、ピノコからのラブレターを引き出しにしまうBJ先生。このとき手紙の下にある右側の本。これは見つけたどーーー!! 
『臨床応用局所解剖図譜(胸部・腹部・四肢)』Eduard Pernkopf著 Helmut Ferner編 小川鼎三 石川浩一訳 医学書院 1966
たぶんこれに間違いない。実在する本をBJ先生が読んでいるというのは、先生をいっそう身近に感じられて嬉しい♪

●原作ではないが、アニメのBJ先生は“Lancet”を読んでいた(たしかゲラの話のとき)。総合医学雑誌としてはインパクト・ファクターも高いし、また両刃のメスを表す Lancet がいかにも外科医らしいから、この雑誌が選ばれたのではなかろうか。週刊の薄い雑誌なのだが、先生が読んでいたのは製本してあったから、定期購読しているのかもしれない。いまならHPでカレントの記事も読めるようだ。→ http://www.thelancet.com/ 

BJ先生の時代にはネットなんかなかったわけだから、文献を集めるのは大変だっただろうと思う。白拍子先生などは所属する大学図書館を利用できるから良いが、BJ先生の場合はどうしてたんだろうか。最寄の医学図書館を利用できていたらよいのだけれど、母校でも評判が悪いくらいだし、悪名高いモグリの開業医にはなかなか門戸を開いてはくれなかったかもしれない。私が現役の図書館員だったら、自分の仕事はおっぽり出してでも張り切って文献集めをしてあげたのになぁ。

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