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「手塚治虫文庫全集」に『BJ』登場!

Photoいよいよ「手塚治虫文庫全集」第2期の刊行がスタートし、『ブラック・ジャック』1~3が発売された。5月24日の記事でも触れたように、「週刊少年チャンピオン(秋田書店)」連載時の掲載順に収録されており、各話に扉絵が付いているのも嬉しい。

問題の未収録話についてだが、#1「医者はどこだ!」~#67「ふたりのピノコ」では次に挙げるエピソードが未収録となっている。

★「文庫全集」未収録話
●#22  血が止まらない
 #28  指        … →「刻印」
●#36  しずむ女
●#41  植物人間
 #46  死神の化身    … →「恐怖菌」
●#58  快楽の座
 #64  おまえが犯人だ!!… 『鉄腕アトム別巻』に収載済み
 #67  緑柱石      … →「ふたりのピノコ」

このうち、「指」は後に「刻印」と改作されたものが収録されるであろうし、「死神の化身」は「恐怖菌」、「緑柱石」は「ふたりのピノコ」と改題して収録されている。また「おまえが犯人だ!!」は『鉄腕アトム別巻』に既に収載されているので、「文庫全集」で読むことのできないエピソードは●印を付したものということになる。

「血が止まらない」はコミックス3巻に収録されているが、確かにストーリーに無理があって、出来としてはイマイチの作品ではある。BJが由紀の血友病を手術で治すフリをすることがまず大問題だし(将来子ども、特に男の子に遺伝する可能性がある)、また博の悪性貧血を治そうとしていないことも問題だ。だからこのエピソードが収録されないのは、手塚治虫の意向を反映しているのかもしれないと思う。しかし、博が由紀に遺した手紙の文句は良い。「でもぼくらには太陽があった。花があった。音楽があった。いまはみんなきみのものだ。(以下略)」 若い恋人達の死を賭した純愛をBJが後押ししようとするのも良い。収録されないのは惜しい。

「しずむ女」、これは以前にも取り上げたことがあったが、私は名作の部類に入るエピソードだと思っている。ストーリーには、手術で知的障害まで治せるかというようなキズもあるが、行きずりの少女に献身的に尽くすBJ先生という他では滅多に見られないものが拝めるお話だ。今回は是非収録してもらいたかったのだがなぁ。コミックス4巻に収録。

「植物人間」と「快楽の座」については以前に触れたことがあるので割愛。生体実験めいた話題については今後も賛否両論であろうから、この2作が日の目を見ることはちと難しいか……。いやそれにしても、だ。シリーズを通して最大級の問題作は皆、初期の頃に描かれていたことに改めて気付く。後へ行くにつれて、だんだんと制約も多くなり、またBJ先生も「良い人」になっていったのだなぁ。

これから楽しみに少しずつ読んでいこうと思う。何べんも言うが、連載順というのはありがたい。予備知識をできるだけ排除して、新たな気持ちで読んでみたいものだ。欲を言えば、連載されたままのものが読みたいけれども。例えば、「医者はどこだ!」の最後にはやはり「ブラック・ジャック 日本人である以外 素性も 名まえもわからない……」のナレーションが欲しいのだが、この「文庫全集」版には無いんだよねぇ。元の「全集」版にも無いから仕方ないのだけれども。なかなか100点満点のシリーズというのは出版されないものだなぁ……。

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