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ハートチョコ

34年前のきょう、1977年2月14日にBJ先生は山上投手の本間血腫の手術を敢行している。シリーズ中、はっきり日付がわかる手術はこれ一件だけかもしれない。34年前の今この時間には、悔しさにベッドの中で歯軋りしていただろうか。それともピノコからもらったハートチョコで、少しは気持ちが落ち着いただろうか。

「本間血腫」についてはちょうど1年前にも感想を書いているので(コチラ)重複は避けたいところなのだが、いま一番気になっているのは、BJがBJ型人工心臓を使わなかったという点だ。そのままでは患者は本間血腫で早晩命を失うことになるだろう。それがわかっていながらBJが人工心臓を取り替えなかったということは、医学の限界というよりは自分が医師として為すべきことの限界ラインを引いたというふうに感じられる。

ただ、もしも患者が人工心臓の取り替えを希望したなら、BJは再手術しそうな気がするのだ。#207「しめくくり」では、どうしても小説の結末を書きたいという末期がんの作家の手術をしている。それはたかだか2~3週間の延命にしかならないとわかっていたにもかかわらずだ。その間に患者がやりたいことをやり、思い残すことなく生が終えられるなら、そのためにBJは延命治療をするのだろうと思う。

やっぱりアレだ。BJ先生を突き動かすものは、患者の「生きよう」とする意志、「生きたい」という願いなのだろう。「水頭症」でも「おれという人間は 死を目の前にしてあきらめきって笑っている病人をみると腹が立ってくるんだ!」と、いささか感情的な発言までしている。もっとも、そこで見捨てたりしないのがBJ先生だけれども。

「生きたい」「生まれたい」と切に願ってこの世に出てきたピノコは、言い方を変えれば「生への執着」を具現化した人間である。そのピノコがいつもBJの傍らにいて愛を語っているというのは、なかなか良い……というか、堪えられない構図だ。わざわざ大きなデパートまで行って買い求めたハートチョコで、どうかBJ先生の気持ちが癒やされますように。
A Happy Valentine's Day!

【追記】
なお、上述の1年前の記事の訂正として、日本でも体内植え込み型の補助人工心臓「EVAHEART」が2010年12月8日付けで製造販売を承認されたことをここに書き加えておく。

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