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やさぐれ先生

先日ニコタのチャットでBJ話をしていたときに、外国のうらぶれたバーでハムエッグに話し掛けるBJ先生はいいですよね、という話になった。「盗難」の中の一シーンである。リボンタイをほどき、ワイシャツの襟元をゆるめ、両手をポケットに突っ込んで「白目のピートってのはおまえかい」と言う先生は、どっからどう見ても立派なゴロツキである。そのシーンの前後では、いつもどおり綺麗にリボンタイを結びスーツとコートをりゅうと着こなしているのだから、このギャップは印象的だ。

このやさぐれた感じがBJ先生の魅力のひとつであると私は断言する。少なくとも私はコレにやられた口だ(笑)。先生にはどこか裏社会の匂いがする。回を追うにしたがってその匂いは徐々に薄れていくのだけれども。

「宝島」では、スカンクが「五條ミナとは何者? 先生のイロ女かい?」と尋ねている(「彼女」じゃなくて「イロ女」である。この響きがなんともねぇ・笑)。先生が言っている言葉ではないけれども、先生にはそういうイロ女が何人かいてもおかしくないと悪党連中から思われているわけだ。

また、「水とあくたれ」で先生はおもしろいことを言っている。大泣きしているピノコに向かって「利用され捨てられた…か 女はたいていそういうことだ」。この自信満々な言い放ちっぷりはいったい何事だろうと思うが、この発言もどこかカタギじゃないなという感じがする。いったいどこの女のことを言っているのか知らないけれども、ふつう一般の女性はそんなに頻繁に男に利用されて捨てられたりはしない。ふつうに付き合って別れるぶんには「利用」という言葉もそぐわない。私はこの発言を目にするたびに、どこかくたびれたバーのホステスさんを思い浮かべたりする(偏見でしたらゴメンナサイ)。

まあとにかく、先生が知っている女性は「たいてい男に利用されて捨てられる女」であるらしく、そういう女性はやっぱり裏社会の男の周辺にいるのではないかと思うのである。よって、先生も裏社会に通じているということが言いたいのだよウン。

悪党たちが怪我するとたいてい先生のところに連絡がくることからみても、裏社会での先生の評判は高いのだろう。「白い正義」では「患者はね……いい人間ばっかりとはかぎらないんですぜ。(中略)そういう連中のために私のような立場の医者も必要なんだ」と自己アピールもしている。そういう連中との交流が原作に描かれているわけではないけれども、言葉の端々から裏社会とのつながりは感じられると思う。

しかし、最初の話題に戻るが、そういう連中と付き合うときと普段とで、服の着こなしから言葉遣いから歩き方まで違えることができるというのは、なかなかの役者だ。「二人のジャン」ではアレマ・マレア女史に対して手を取って慇懃に挨拶などもしている。礼儀正しくやろうと思えばできる人なのだ。ハワイに行けば出迎えの女の子におもしろいのかどうか判断に苦しむ軽口など叩いたりもする。どこでも溶け込もうとすればできる人なのだろうが、でもやっぱり一番似合っているのはちょっと世間からはみ出したあたり。そんな気がする。

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