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稲田神社

先週のことだが、奥出雲町の稲田神社を訪ねた。イナタヒメ(稲田姫)を祀る小さな祠があったところに、篤志家小林徳一郎氏の尽力で昭和7年に社殿が建てられたのだそうだ。本殿・拝殿のある大きな神社だが、神社の歴史としてはそう古いものではない。

イナタヒメ(クシナダヒメとも言う)と言えば、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治して妻にしたお姫さま。須佐神社、八重垣神社、須我神社など、ご夫婦で祀られている神社は多いが、イナタヒメ単独で祀られている神社に詣でるのは初めてだ。どうやらこの地がイナタヒメ生誕の場所と伝えられているようで、周辺には「産湯の池」や、へその緒を竹で切ったと伝えられる「笹の宮」があるらしい。

スサノオが降り立ったとされる鳥髪山(船通山)とも近く、なるほどこのあたりはイナタヒメの故郷なのだなぁと感慨深い。しかしそれにしても、『古事記』ではあれだけ大きく扱われたヒロインなのに、『出雲国風土記』においては飯石郡熊谷郷の条に同一神と見られる久志伊奈太美等与麻奴良比売命(クシイナダミトヨマヌラヒメ)が一度登場するだけで、扱いは小さい。ヤマタノオロチ伝説など一切描かれていないのがやはり謎だ。『古事記』はヤマト政権の創作だと言うが、地理的には決して間違っていないので、綿密な現地調査の元に描かれた神話のように思われる。

ちなみに、この神社を訪れた目的は、境内にある「ゆかり庵」でお蕎麦をいただくということであった(参拝はもとよりだが・笑)。「ゆかり庵」は社務所を改造したお店で、二間ぶち抜きの広い畳のお部屋と縁側があり、暖房は数個のストーブという、どこか懐かしい風情が漂っている空間だった。15食限定のセットや横田小そばの割子そばは既に売り切れていたので、私は暖かい山菜そば、夫は普通の割子そばをいただいた。これが非常に美味♪ 香り高くコシの強い麺も張ってあるお出汁も私好み。私がこれまで食べてきた蕎麦の中で5本の指に入る。これもイナタヒメのお引き合わせか。ありがたや~(笑)。

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