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日御碕神社

先日のつづき。

Photo_3日御碕灯台から海岸沿いに遊歩道(?)があり、400~500m南下すると日御碕神社に至る。途中、ウミネコの繁殖地として知られる経島(ふみしま)など眺めながらテクテク歩く。

Photo朱と緑と白のコントラストが目にも鮮やかな社殿が日御碕神社である。こんなに派手な神社はこの辺りでは例がない。権現造りであることといい、出雲地方にある他の神社とは何かしら一線を画す存在であるように思われる。「日沈宮(ひしずみのみや)」にアマテラス、石段を登ったところにある「神の宮(かむのみや)」にスサノオが祀られている。

Photo_2神の宮には「日本総本宮 神の宮 御祭神 神素盞嗚尊」という立て札があり、ここがスサノオを祀る神社の総本宮であることがわかる。それを「日本」総本宮と称するのは気宇壮大というべきか。因みにコトシロヌシを祀る美保神社に行くと「ゑびす様の総本宮」という看板があったりする。「○○総本宮」という場合、○○には神様の名前が入りそうに思うのだが「日本総本宮」とは……?

まあそれはさておき、社務所でいただいた「日御碕神社御由緒略記」を読むと、二つの宮の由緒は以下のとおりである。時代が前後していて分かりづらい記述だったので、時系列にまとめて西暦も付記してみた。

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●日沈宮

・神代~、日沈宮は清江の浜の経島にあった。
 スサノオの御子神・天葺根命(アメノフキネノミコト)が清江の浜にお出かけになられた時、島の百枝の松に瑞光が輝き、「吾はこれ日ノ神なり。此処に鎮りて天下の人民を恵まん。汝速やかに吾を祀れ」との天照大御神の御神託を聞き、ただちに島上に大御神をお祀りした。

・安寧天皇13年(紀元前536)
 勅命による祭祀あり。

・開化天皇2年(紀元前157)
 勅命により島上に神殿が造営された。←「出雲国風土記」に見える百枝槐社。

・天平七年乙亥の勅(735)
 「日の出る所伊勢国五十鈴川の川上に伊勢大神宮を鎮め祀り日の本の昼を守り、出雲国日御碕清江の浜に日沈宮を建て日御碕大神宮と称して日の本の夜を護らん」という日の大神の御霊験が仰がれた。

・村上天皇の天暦2年(948)、現社地に遷座。

●神の宮

神代以来現社地背後の「隠ヶ丘(かくれがおか)」に鎮座せられていたが、安寧天皇13年(紀元前536)勅命により現社地に遷座。←「出雲国風土記」に見える美佐伎社。

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第3代安寧天皇だの第9代開化天皇だのと、いわゆる欠史八代の間の記述はとても信用できないだろうが、それでもどうやら非常に古い歴史を持つ神社だということはわかる。また『古事記』においては、アマテラスが昼を、ツクヨミが夜を司るとされていたのに、ここではアマテラスが昼も夜も司るということで、アマテラスの権威が拡大しているように読めるのが興味深い。

ところで、社殿を見ていて気付いたのだが、日沈宮が男千木、神の宮が女千木になっている。これは逆ではないのか。社務所におられた禰宜さんに理由を問うてみると「多くの人がお尋ねになりますが、はっきりしたことはわかりません」とのことだった。しかしこのとき耳よりな情報を得た。「神の宮のご神座は西を向いています」と。なんと! それは、出雲大社と同じではないか! スサノオもオオクニヌシも、社殿の向きとは関係なく西向きに鎮座ましましているとは! 出雲の神社にしては派手な外観の権現造りであることとも相俟って、そこには何か深い理由があるように思われる……のだが、私ごときにわかるはずはない。orz

また、ネットを渉猟していて、夏至の日には伊勢神宮の鳥居の間から太陽が登り、出雲大社の鳥居に太陽が沈んでいくということや、その出雲大社から見た夏至の日の日没線上に日御碕神社と経島があるということなどを知った。単なる偶然なのか、意図的にそういう配置をしたのか。これまたなんとワクワクするような謎ではないか!

折から今年は「古事記」編纂から1300年ということで、「神々の国しまね」が盛んにアピールされている。私も出来る限りいろんな神社や伝説の残る地を訪れて、多くの謎に触れてみたいと思っている。

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