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『BJ』は医療マンガか?

天皇陛下の心臓手術を成功させたお医者さんがテレビで紹介されているのを見るにつけ、これがもし世界でただひとりBJ先生にしかできないような難手術だったとしたら、先生のところに依頼が行ったのかなぁ、などと妄想するのは不敬罪に当たるだろうか。日本医師連盟の猛反発は必至だろうが、何がなんでも助けなければならない命だったら、隠密裏に先生が呼ばれて……なんてね。各方面から非難を浴びそうなので、この話はここまで(笑)。

さて「少年チャンピオン」での「ブラック・ジャック 青き未来」の連載が終わって、次の企画は「ブラック・ジャック原案使用 感動の医療体験談募集!!」だそうだ。応募資格があるのは医師、看護師、等々の医療関係者で、採用されれば応募者本人がBJと共演可能とのこと。ふ~ん、へぇ~、ほぉ~。

もともとが「感動の」医療体験談で、応募者自身も出演するというのなら、その上BJ先生を出す必要はないんじゃないの?というのが率直な感想だ。病気と懸命に闘う患者の話とか、いろんな困難を乗り越えてより良い医療を目指すお医者さんの話とか、たぶんそういう話が集るんじゃないかと想像するが、そこにBJ先生をどう絡ませるのか。申し訳程度に出演させるのだけは勘弁してもらいたいと思う。

ところで、よく『BJ』は「医療マンガの金字塔」などと言われるが、それは的確な表現だろうか。読者ははたして医療を巡るドラマを観たいと思って『BJ』を読んでいるのだろうか。少なくとも、私は、違う。BJはブラックボックスだ。そこに病気だの怪我だの、更には様々な社会問題だの、たまには正義やまやかしなんかを全部放り込んで、さあどれだけ深く人間の本質を抉る結末が導き出されてくるのか、それを観たくて読んでいる。

BJという哲学さえあれば、たとえ彼が医師という職業ではなくて一介の会社員であったとしても、たとえ活躍の舞台が医療現場ではなくて街角のコンビニであったとしても、それなりに優れた作品になるだろうと思う。つまり『BJ』という作品において「医療」というのはそれほど重要な要素ではないのではないか。命の尊厳を描くのに最適なシチュエーションであるとは思うけれどもネ。

かつて手塚治虫は「いい加減なことを描くな!」と的外れな批判をされたけれども、実際の医療や病気というものに拘ると、却って描けないものができてしまう危険もあるのではないか。病気なんて空想のものでよい。オペだって無茶なもので構わない。どんなにマンガチックで荒唐無稽な設定であっても、そこに起こるドラマだけは本物だ、というのが『BJ』という作品の真骨頂なのである。

↑今度の企画が、そのへんのツボをちゃんと押さえてくれていることを願ってやまない。

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