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起きてよ、先生!

昔、『巨人の星』というアニメは1球投げるのに3週間くらいかかった。どうなるの?どうするの?という興味と興奮を引っ張れるだけ引っ張って、たとえそこにどんな結末が待っていても、3週間後にはそれなりのカタルシスが得られたように思う。

さて「少年チャンピオン」連載中の『ブラック・ジャック 青き未来』。今週号のBJ先生、まだ寝てるし……。休載期間を挟んで去年の10月27日号からずーっと寝てるし……。目覚めてから何か大きなドラマがあるのだろうと辛抱強く待っていたのに、なんと、来週号が最終回だって?! あっちょんぶりけなのよさ。

どうやらこれはBJが主人公のマンガではなかったようだ。BJは独裁者のオペをしただけで、すぐに寝てしまった。独裁者を倒そうとする国民たちが蜂起して、先生が寝ている間に政権を奪取した。そこにクロエという身体能力抜群の謎の女医が絡んで、どちらかと言えば彼女を軸にストーリーが展開していった。先生は狂言回しの役にもなっていない。いまの時点では、はたしてBJを出す必要があるマンガだったのかと疑問にさえ思う。作者はいったい何を描きたかったのか、最終回ではたして明らかになるだろうか……。

Photoところで昨日は「少年チャンピオン」と一緒に「AKITA TOP COMICS WIDE」の『ブラック・ジャック 哀しむ!』を買った。表紙に「何事にも惑わされない強靭な意志を持つ天才医師が、ふと心の奥を垣間見せる20本のドラマ!」と謳ってある。内訳は以下のとおり。

「畸形嚢腫」#12
「ピノコ愛してる」#13
「刻印」#227 (「指」#28)
「ときには真珠のように」#29
「ピノコ生きてる」#30
「めぐり会い」#50
「アリの足」#54
「えらばれたマスク」#68
「満月病」#87
「友よいずこ」#99
「クマ」#108
「不発弾」115
「おとずれた思い出」#165
「笑い上戸」#241
「二人目がいた」#195
「20年目の暗示」#202
「海は恋のかおり」#205
「骨肉」#233
「虚像」#232
「人生という名のSL」#229

一見してわかるとおり、狂言回しや天才外科医としてのBJではなく、BJその人の過去や人となりを描いた作品群である。「刻印」を「指」と考えると、ほぼ雑誌掲載順に収められているのも嬉しい。これ1冊読めばBJの素顔がわかる。この内容で600円はお買い得だ。惜しむらくは「シャチの詩」と「やり残しの家」がないこととBQが出てこないことか。やっぱBQは嫌われているのかなぁ……。

そのBJのインサイドストーリーとも言うべき作品群に「哀しむ!」というサブタイトルが付けられているのがまた私のツボを突いている。「アリの足」以外は物哀しいエンディングの話ばかりだ。BJの「影のある男」というイメージは、こういう哀しさを経験してきているからこそと言えるだろう。

BJファンとしては、彼の胸のすくような活躍を期待し、また彼の悩みや哀しみに共感したり考えさせられたりしたいのである。寝ている先生ばかり見せられると、読者はどうしていいのかわからない……。

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