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2013年3月

『泣くな!はらちゃん』

土曜日の夜に楽しみにしていた『泣くな!はらちゃん』が今夜で終わってしまった。さびすぃ……。以下、ネタバレを含む。

越前さんの描く漫画の世界から飛び出してきたはらちゃん。越前さんと恋に落ちて……という筋書きからは、結末は別れしかないだろうと思っていたが、じめじめしたところはなく、ただその切なさが愛おしいという非常に後味の良い最終回だった。

シリーズを通して言えば、構成や脚本がきっちりしているのだろう、一言で言って「隅々まで行き届いたドラマ」だったと思う。毎回、笑って、泣いた。虚構……と言えばドラマはみんな虚構だけれども、このドラマは日常ではあり得ないシチュエーションで話が進んでいくものだから、一種おとぎ話のような趣きがあって、その中で描かれている現実社会の残酷さや矛盾や理不尽さがより一層強調されていたと思う。

基本的には直球の恋愛ドラマで、はらちゃんの純粋さと優しさが心に沁みた。あんなに真摯に人と向き合う気持ちを、自分はもう失くしてしまっていたなぁ……。嫌な現実からは逃避して、人それぞれなんだからそれでもいいでしょ!という後ろ向きのスタンスで生きてきた越前さんは、はらちゃんの大きな愛に触れてそれじゃダメなんだと気付いていく。この辺は私にとっても耳の痛いところだった(笑)。私も頑張らなくちゃな~と思う。

行き届いていたといえば、われわれ視聴者が抱くであろう感想を登場人物に語らせるという手法もおもしろかった。たとえば、百合子さんのセリフ「いま私たちがいるこの世界だって、誰かが描いた漫画の中の世界なのかもしれない」(←うろ覚え)とか、前回の田中さんのセリフ「違う世界からやってきた人たちは僕たちに大切なことを教えて自分たちの世界に帰って行くんです」(←うろ覚え)とか。われわれ視聴者は、そうかもしれないな、きっとそうなんだろうなと思いながら、それをドラマで追体験するという、なんだか不思議な感覚も味わうことができた。

最終回にはいろんな仕掛けがあって、エンディングロールもいつもと違っていたし、これまで劇中でさんざん話題になっていた「大橋さんの息子さん」も登場した。演じていたのがなんと、ビブオさん(笑)! 劇中で使われたはらちゃんの漫画を描いていた漫画家さんである。現実と虚構のスパイラル。こういうお遊びは楽しいね♪

はらちゃんとお別れするのはなんとも寂しくて、続編やSPを期待したい気持ちもあるけれど、これはこれで完結したほうがいいという気持ちも強い。何を加えても蛇足になりそうなくらい、ちゃんと描き切られた作品だったから。でももしも続編があるとするなら、今度は百合子さんまたの名を矢東薫子先生が描くオリジナルのはらちゃんを見てみたい。越前さんが描くはらちゃんよりどうやら数段カッコいいようだから(笑)。

SFであり、メルヘンであり、恋愛ドラマであり、コメディであり……、人間の弱さや強さや温かさを描き、「別れ」というものを通して物事にちゃんと向き合う勇気と希望を与えてくれた素敵なドラマだった。ありがとう、はらちゃん!

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ダビデにパンツ

ダニエレ・ダ・ヴォルテッラ(Daniele da Volterra 1509年頃 - 1566年4月4日)……システィナ礼拝堂にあるミケランジェロの『最後の審判』に描かれた多くの裸体に外衣・腰巻きを描き加えたことにより、「Il Braghettone」(ズボン作り)というあだ名をつけられた画家。

日本では「ふんどし画家」と呼ばれていますが、優秀な画家だったらしいのになんとも気の毒なことです。彼の意思でやったことではなくて、当時の法王パオロ4世が「体の恥ずかしい部分を見せている」という理由で下半身を薄い布で隠すように命じたからなのにね。

Photoさてきょうは、島根県奥出雲町の三成(みなり)に先月来話題になっているダビデ像とビーナス像を見に行きました。話題というのは下記のようなものです。

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島根県奥出雲町が昨年夏に公園などに設置したダビデ像とビーナス像が、思わぬ問題を引き起こしている。
町出身者が町に寄贈した大理石製の彫刻で、町は「一流の芸術作品として教育的価値がある」と説明するが、巨大な裸像を目にした町民らは「子どもが怖がる」「教育上ふさわしくない」と町議に苦情。町議会でも取り上げられ、山あいの町で論争が続いている。

Photo_3像は、ミケランジェロのダビデ像やミロのビーナス像を模してイタリアの著名な彫刻家エンツォ・パスクイニ氏(故人)が制作。台座部分を除いた高さは約5メートル。同町出身の元建築会社社長、若槻一夫さん(広島市)が購入して、故郷への恩返しのために昨年4月、寄贈した。
町は「本物の芸術作品を鑑賞できる。ありがたい」と感謝。美術商や若槻さんの意向に沿いながら設置場所を決定。力強いダビデ像は、スポーツ選手が集まる三成運動公園に。愛と美の女神・ビーナス像は、子どもを見守るよう三成公園みなり遊園地に置いた。昨年8月には、若槻さんを招いてお披露目式も行った。

しかし、約5メートルの裸体。小中学生や家族連れらが訪れる場所であるため、住民らから町議に苦情が寄せられ始めた。「子どもが怖がる」「威圧感がある」「もう少しふさわしい場所に移設して」「(ダビデに)下着をはかせて」などの声があるという。

昨年9月町議会で町議の1人が問題を指摘。12月町議会では、別の町議が「教育上、ふさわしくない」「『見たくない』『気持ち悪い』という声がある」と訴えた。しかし、町は「本物の芸術品が二つもあり、素晴らしい」「専門家の意見を聞きながら場所を決めた。周辺の景観と合っており、移設は考えていない」と議論は平行線。

取材に対し、井上勝博町長は「幼い頃から一流の芸術作品に親しむことで、目を養うことができる。感性に訴えかけ、美術教育にも役立つ」と話す。

(2013年2月5日17時48分 読売新聞)
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Photo_2ダビデ像が見える場所に30分くらい車を停めていましたが、その間にも4台ほどの車が見物にやってきまして、人々の関心の高さを示しているようでした。しかし別段だれかが「ダビデにパンツを!」という署名運動をしているわけでもなく、問題の部分をノミで削ろうとしている人もおらず、「ああ、これだこれだ」としばらく眺めたり写真に収めたりして粛々と帰っていく人たちばかりで、30分も眺めていたのは私たちだけでした(笑)。いや、実際、私は感動していたのです。すごい迫力なのですよ! たいして好みの顔ではありませんが、その視線の先にいるであろうゴリアテをはったと睨みつけ、いままさに戦闘態勢に入ろうとする緊張感を漲らせた表情や姿態は、いくら見ても見飽きることがありませんでした。

そういう点で、上記の記事中にある苦情のうち「子どもが怖がる」「威圧感がある」というのはある意味当たっていると思います。問題は「(ダビデに)下着をはかせて」「教育上、ふさわしくない」という、そこらへんに関することでしょうね(笑)。そういう声が挙がっていることについて、「芸術に理解がない」とか「遅れている」とか言って嘲笑することは簡単だと思います。でも、私はこの問題、けっこう人間の根源的な感覚を問うていておもしろいと思うのです。

みなさんおそらくそうだろうと思いますが、男女を問わずこの像を見てまず最初に視線が行くのは股間じゃないでしょうか。芸術に理解があると自認する方々もそうなんじゃないでしょうか。いちおうそこを確認してから全体に目が行くというのが一般的な順番じゃないかと思うのですよ。何故最初にそこに目が行くのかといえば、ふだん隠されている場所だからだと思います。いつもはたいてい見えない状態になっているものがあからさまに見えていれば、それは珍しいということで、まず見ちゃう。日常いつも見えているものならわざわざ見たりはしないと思います。

ならば何故ひとは性器を隠すのか。旧約聖書には、アダムとイブが禁断の木の実を食べて自分たちが裸であることに気付き、それを恥ずかしく思って股間をイチジクの葉っぱで隠したとあります。アダムとイブは人類最初の人間たちですから、もうその時点で人間は羞恥心を持っていたということになり、そこが他の動物たちと大きく異なる点だということを示しているのだと思います。これはキリスト教での考え方ですから実際の生物学・生態学において正しいのかどうかはわかりませんが、ただ実感としては判らないでもありません。親から何を教わったわけでもない幼い頃から、なんだか股間というのは恥ずかしい、身体のほかの部分とは何かが違うというエロティックな感覚を持った覚えのある人は多いのではないでしょうか。

そういう原始的な羞恥心というものこそが人間を人間たらしめている要素のひとつなのではないかと思うのです。ならば私は、一般の人々がふつうに目にする場所に設置されたダビデ像にパンツをはかせようという意見の人々を嗤えません。「これは最高の芸術作品なのだから」と仰る向きに対しては「でも恥ずかしいじゃないか!」という一言でじゅうぶん論破できると思います(笑)。裸であることの羞恥心やそこから醸しだされるエロティシズムを一顧だにせずに、これを単に素晴らしい芸術作品だという既成の事実として評価する人たちよりは、「パンツをはかせてあげようよ」という感想を持つ人たちのほうがよっぽど人間らしくダビデを愛していらっしゃるのではないかと思ったりしました。

とはいえ、私自身はこのダビデ像にパンツをはかせようなどとは決して思っていないことをここに明記しておきます。パンツ一丁のダビデって、たぶんすごく間抜けだと思うから(笑)。

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一人の少女が、緋のマントをメロスにささげた。メロスは、まごついた。よき友は、気をきかせて教えてやった。
「メロス、君は、真っ裸じゃないか。早くそのマントを着るがいい。このかわいい娘さんは、メロスの裸体を皆に見られるのが、たまらなく悔しいのだ。」
 勇者は、ひどく赤面した。
             (太宰治「走れメロス」より)

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先生とドクター

昨日までどうしようか悩んでいましたが、自分へのご褒美(←便利な言葉ね・笑)として、思い切ってドクター・キリコのフィギュアを買うことにしました。そしたら、申し込んで24時間もたたないうちにわが家にやってきてくれました。

Photo主人公のBJ先生より値が張るってどうよ、と思いましたが、頭部がすぐに取れてしまうBJ先生よりも頑丈な作りになっていました。靴下のように見える筒状の布もついてましたし、靴もおしゃれです。顔は……OVAのキリコですから美形っちゃ美形ですが結構おっさんです。Gさまがお持ちのフィギュアのほうが若くて可愛らしいです。それに、白人のくせに顔色あんまり白くありません。BJ先生と同じ肌色だと思いますが、髪が白いぶん顔色めっちゃ悪く見えます。こりゃ~肝臓やられてるな(笑)。

Photo_2ロングストールがどうしても上手く結べず(ブラインド・フォールド・ノットという結び方ですね)だらーんとしたままですが、とりあえず記念写真を撮ってみました。誕生日に死神が来るなんて縁起でもないような気もしますが、BJ先生の次にかわいがってあげようと思います(笑)。

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38度線がなにやらにわかにキナ臭くなってきた本日3月8日、無事にまた一つ歳を加えることができました。何歳だったかはもう忘れることにします(笑)。

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切手

手塚治虫作品アニバーサリーフレーム切手セットが発売される。

きっとBJのを買っちゃうんだろうな自分……(笑)。BJとピノコ以外に、如月先生とドクター・キリコと本間先生がいるようですね。

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春の京阪神ツアー その4

17日。いよいよ今回の旅行も最終日である。

Photo二日ぶりにぐっすり眠って起床。やっぱりベッドよりお布団がいいなあ♪ 7時から外湯が入浴可となるので、夫がタオルを肩にひっかけて出かけていった。私は今回はパス。城崎まで来て温泉に入らないのはいかにももったいないが、結膜炎だし……。朝湯に入るお客たちが引きもきらずに行き来しているのを上から眺めて過ごす。

二つばかり外湯を巡ってきた夫の身支度が済むのを待って、チェックアウト。前夜にコンビニで買っておいたサンドイッチなど簡単に食べて朝食とする。

Photo_2さて、当日の予定は城崎マリンワールドのみ。風は冷たいが好天の日曜日ということで、朝から結構な人出だった。ここの水槽は深い。水深12mもあるらしい。入り口から入ると、まず海面浅いところにいる魚たちが見える。そこから水槽のぐるりを階段で下りて行くようになっていて、だんだんと深いところにいる魚たちを見ていける仕掛けだ。釣りが趣味の夫が、水槽最深部にいるマダイの前から離れない(笑)。「そうか、8尋(ひろ)か……」などと呟いているところを後ろからパチリ。

屋外へ出て、寒風吹きすさぶ海岸沿いに進むとイルカ・アシカショーが見られるシーランドスタジアムに着く。なんとかイルカとなんとかイルカ(種類を忘れた)が一糸乱れず高々とジャンプしたり、ボールを尾びれで蹴って客席にシュートを決めたりするのを見る。イルカ、かわいいなぁ~♪ 

その後、屋内にあるいろいろなプールを覗いて歩いた。ショーの時間ではないので誰も観客のいない円形プールに数頭のイルカがいて、飼育員さんもいないのにぐるぐると高速で泳ぐものもいれば、鼻先だけ水上に出したり沈んだり延々と上下動を繰り返しているものもいる。これはもしかして自主的に練習をしているのだろうか? だとすれば、やっぱりイルカの知能ってすごいね!

ショップなども見て回り、お昼過ぎに城崎マリンワールドを後にした。魚好きな夫がことのほか喜んでいたので、ここは予定に組み入れて正解だったようだ。

さあ、あとは一路家路を辿るのみ。急ぐ旅でもないので、海岸線をのんびり走り、餘部の鉄橋を眺めたりした。鳥取に入る前にどこだかのレストランで昼食を取り、鳥取市湖山では独身時代に私が住んでいた辺りを懐かしく車窓から見る(当時よく行っていたスーパーがまだあった♪)。当時お世話になった方々、いまもお元気にしていらっしゃるだろうか。お会いしたい方もいるが、今回は通過します。ご無礼の段をお許しください。

途中で買い物などして、松江には6時頃に着いた。運転免許証を忘れて慌てて取りに帰ったのが3日前……。ずいぶん前のことだったような気がした(笑)。

4日間、目一杯遊んだ。行ける範囲内で行きたいところへは全部行き、見たいものは全部見た。結果、急ぎ足になってしまったけれども、本当に充実した旅行ができた。行く先々でお世話になった皆さま方、どうもありがとうございました。いろいろとご迷惑をおかけしましたこと、なにとぞお許しください。おかげさまで、本当に楽しい旅行ができました。感謝感謝です。m(_ _)m

最後に、ずっと運転してくれた夫に……。お疲れさまでした。道中の夫婦喧嘩も楽しかったよ。ありがとう。m(_ _)m

……というわけで、春の京阪神ツアーの顛末これまで。読んでくださった方、ありがとうございました。m(_ _)m

追記:結膜炎が一向に良くならないので、翌日に眼科へ行った。どうやらこじらせてしまっていたらしく、虹彩炎(この字であってるかな)も起こしているし、角膜もちょっと変だと言われ、ステロイド剤の点眼薬を処方された。それが効いて、それから1週間くらいですっかり完治した。このたびお会いした方に、もしかしてうつしたりしてはいないかと、それが心配なのだが……。

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