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三億円事件

わぁ~!『ルパン三世』のテレスペと『クロコーチ』が重なってしまった(泣)!どちらをリアルタイムで観てどちらを録画するか迷うところだが、CMで観たルパンのキラキラお目々に拒否反応発生。よって一度観れば充分と判断して『クロコーチ』を録画することに決めた。

Photo_2現在のマイブームは「三億円事件」である。今年は『ヤング ブラック・ジャック』でも取り上げられ『クロコーチ』のドラマも始まったとあって、俄然興味を覚えた次第。一橋文哉の小説『三億円事件』(新潮文庫)を読み、同書を原作とするビートたけし主演のドラマ『三億円事件~20世紀最後の謎~』も観た。どちらもとても面白かったのだが、両者を比べると実行犯が違っていたり、犯人たちの「その後」が違っていたりもする。

Photo_4いま、あえて「小説」と書いたが、一橋文哉の『三億円事件』は綿密な調査を行っており、作者は犯人と思しき人物(マツダ)と6時間にもわたる会談をも試みている。これが真犯人だとすれば、警察にも解決できず迷宮入りとなった事件を一ルポライターが解決してしまったわけで、これはすごいことだ。しかしAmazonの読者評でも指摘してあるとおり、これがフィクションなのかノンフィクションなのかが判然としない。そもそも発端の「半分焼け焦げた500円札」が偶々作者の元に持ち込まれたところからしてなんだかアヤシイ(笑)。

だからこれはフィクションとして読んだほうがよいと私も思うのだけれど、かの有名な偽白バイ警官のモンタージュ写真が実はモンタージュでもなんでもなく、実在した人物の写真をそのまま使っているということなど、私はこの本を読むまで知らなかった。犯人云々は別にして、警察が明かさなかった真実あるいは失態をいろいろ取り上げている点は評価してもよいと思う。

ところで当時、警察は偽白バイ警官の容疑者としてある警官の息子(少年S)をマークしている。逮捕状まで取ったものの、Sは事件の5日後に青酸カリで毒死。真相は闇に葬られてしまった。ネットで調べた限りではこの「少年S犯人説」と一橋の「マツダ犯人説」が有力のようだ。

で、この「少年S犯人説」を膨らませたのがどうやら『クロコーチ』であるらしい(私は原作を読んでいないので推測なのだが……)。これまでドラマでは、三億円事件を機に警察の不祥事をもみ消すために組織された「桜吹雪会」というものがあり、その実体を隠そうとする沢渡(元警察官で前神奈川県知事)と暴こうとする黒河内刑事が火花を散らしており、先週黒河内が撃たれた、というところまで進んでいる。出てくる奴出てくる奴が皆怪しくて、誰が正義で誰が悪なのかさっぱりわからないところがおもしろい。

先週放送分では沢渡がなかなか興味深いことを言っていた。下山事件、帝銀事件、草加次郎事件などの未解決事件には未解決でなくてはならない理由があった、三億円事件もまたしかり、と。要するに真犯人は特定できていたが、警察や国家の権威失墜を防ぐために真相を公けにしなかったということなのだろう。いや実際、国家権力と警察が総力を挙げて秘密を保持しようとすれば、それは出来ないことではないのだろうと思う。しかし、三億円事件のように実質的被害者が出ていない事件ならそれも良いかもしれないが(いや、良くはないが)、それはとても身勝手で特権を振りかざした恐ろしい考え方ではなかろうか。折りしも国会で特定秘密保護法案が取り沙汰されている昨今だが、実に危ういことだと言わざるを得ない。私は絶対反対だ!……と、話が逸れた(笑)。

最後に、ビートたけし主演の『三億円事件~20世紀最後の謎~』と『クロコーチ』のキャスティングについて。『三億円事件~20世紀最後の謎~』で事件の真相を探るルポライター・沢渡を演じた渡部篤郎が『クロコーチ』では謎の中心人物・沢渡を演じ、『三億円事件~20世紀最後の謎~』で犯人グループの一人・ジョーを演じた長瀬智也が『クロコーチ』では三億円犯人に迫ろうとする刑事・黒河内を演じている。追う追われるの関係が逆転しているのがおもしろい。『クロコーチ』では更に謎の黒幕がバックにいるようなのだが、それがビートたけしだったら更に更におもしろいだろうなぁと思う(笑)。

未解決であるが故に45年を経た今でも話題になる三億円事件。真相を知っている人間は必ずいるはずなのだが(少なくとも犯人自身は知っているし、それを隠そうとした人物がいたのならその人物も知っている)、それを秘密にしなければならないということが苦しくはなかったのだろうかと思う。はるか昔に時効を迎えているとはいえ、これまで真犯人が明らかになっていないということは、今日に至るまで秘密を抱えたままだということだ。これは辛いだろうなぁと思う。私が犯人なら絶対誰かに喋っている(笑)。事件の犯人がまだ生きているとして、三億円という大金を自分のものにしたとして、はたして彼は幸福になれたのだろうか? 

Photo_3「この金がお前に何か素晴らしい自由でも与えてくれたのか」
「あわてるなよ。今から俺はそれをつかむんだよ」
             『悪魔のようなあいつ』最終回より

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コメント

三億円事件の真相、気になりますね。いつか明かされる日が来るのでしょうか?

「相棒」などを見ていると、警察も上に行けば単なる官僚組織で、正義や国民の生命・財産の保護よりも、自分たちの組織を守る方が優先されているように感じてしまいます。三億円事件でも、その裏には警察組織の隠蔽があったのかもしれませんね。あの時に杉下右京がいてくれればなぁ・・・。(._.)

「三億円事件」という本、面白そうですね。・・・とはいっても今はまだBJがあるし、西尾維新もあるし。そういえば「腰抜け愛国談義」もやっと2回目を読み終えたところだったりします。(^^;)

文庫で出ているのなら、折を見て読んでみたいモノです。

投稿: モトキ | 2013年11月30日 (土) 00時39分

モトキさん
コメントありがとうございます♪ お返事がまたまた遅くなってしまい、たいへん申し訳ありません。m(_ _)m

ドラマ『クロコーチ』も段々と佳境を迎えつつありますが、まさに隠蔽と捏造の応酬! 組織を守るためには人の命なんかどうだっていいという様相を呈してきています。組織って、基本的にそういう危険を孕むものなのでしょうね。それが「秘密」を目的とする組織ならなおさらのこと。もう誰にも止められない状態になってしまうのでしょう。まあこれはフィクションですから、実際はここまでのことはないだろうと願いたいところです。

それはさて置き、未解決事件というのは興味をそそられるものですねぇ。誰も殺さず、実質的に誰にも損害を与えなかった三億円事件は、特に謎解きのおもしろさがあるように思います。いつか真相が明らかになる日がきてほしいですね。一橋さんの「三億円事件」は文句なしにおもしろいですよ。BJと西尾維新に飽きたら、是非ご一読をお薦めします♪

投稿: わかば | 2013年12月 3日 (火) 22時50分

はじめまして。
いつもブログを拝見しています。

ご期待に沿えないかもしれませんが、
三億円事件を扱った作品なら、
藤原カムイの「アンラッキー・ヤングメン」も
中々面白いですよ。(コミックですが)

投稿: イポリート | 2013年12月18日 (水) 01時16分

イポリートさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
拙ブログを見てくださっているとのこと、嬉しいです♪ こんな動きの少ないブログですみません(汗)。

三億円事件の関連図書のご紹介ありがとうございます。「アンラッキー・ヤングメン」ですね、今度書店へ行ったときに探してみます。どんな顛末が描かれているのか、読むのが楽しみです^^

今年は三億円事件がブームなのでしょうか。今週末にもTVドラマがあるようですね。あの何だかよくわからない熱気と閉塞感が渦巻いていた時代への懐古なのか、いまがあの時代に似ているのか。きっと後の時代になってから判るのでしょうね。

また情報がありましたらご教示ください。ありがとうございました♪

投稿: わかば | 2013年12月18日 (水) 22時26分

こんばんは。

実は僕は幼少期から手塚先生が大好きで、
ブラックジャックも好きだったのですが、
検索していてサイトに辿りついたのでした。

手塚先生はどちらかと言えば、
可愛らしいキャラクターが多く
良い意味で丸いフォルムの、
アニメアニメしている感じがありますが、
そんないわゆる非現実感の中にあっても、
ブラックジャックの人間らしさ・男らしさというのは、
人として惹かれるものがありました。

なので、なぜブラックジャックが好きか、
と聞かれれば、もちろん内容が面白い、
メッセージ性が強い等挙げられますが、
何よりも間クロオの人間としての魅力
それが一番でした。
そこに妙なリアリティがあって、
この作品には惹きつけられてやみません。

またいずれ寄らせて頂きますね。

投稿: イポリート | 2013年12月19日 (木) 21時18分

イポリートさん
重ねてのコメントありがとうございます♪
そうでしたか! 「手塚」「BJ」でこの辺境ブログまでお越しくださっていたのですね! 嬉しいです♪

書かれる文章の印象からまだお若い方と推察しますが(ハンドルのイポリートというのは『白痴』のイポリートでしょうか?)、手塚ファンとはこれまた嬉しいことです♪ 

>ブラックジャックの人間らしさ・男らしさ……
そうなんですよ!!! そこにハマるともう抜け出せなくなりますよね^^v
間黒男とブラック・ジャックの間にはいろんな葛藤や矛盾も垣間見えて、単なる正義のヒーローとしてではない、一人の人間としての魅力が溢れていると思います。
↑ここのあたりを語り始めると一晩では足りなくなりますので自重します^^;

来年も、とある理由でBJ漬けになる予定で(笑)、このブログでもまたBJ語りをすると思います。是非またご意見やご批判をお寄せくださいね。お待ちしております♪

投稿: わかば | 2013年12月19日 (木) 22時46分

中学生の頃からロシア文学が大好きで、
当方の未熟さから、イポリートとしました。
文章で年齢層がばれてしまうとは…
恐れ入ります笑

実は僕はパイプも好きで、
プロムナードを時々吸います。
その関連もあわせて、ブログと遭遇したんですよね。

まだまだ青臭い若者ですが、
宜しくお願い致します。

投稿: イポリート | 2013年12月24日 (火) 22時15分

イポリートさん
中学生でロシア文学がお好きだったとは、もう敬服以外のなにものでもありません。イポリートさんの書かれる文章が静かで謙虚でどことなく内省的な印象があるのは、長年親しんでこられたロシア文学の影響なのかもしれませんね。
私は高校生の頃にやっとドストエフスキーを何作か初めて読んで、『白痴』はざっと飛ばし読みをした程度なのですが、その頃の自分と同年代だったイポリートの手記(遺書でしたかね?)はなんとなく記憶に残っています。年齢を重ねるうちに失くしていった感受性が、あの頃はまだあったのだなぁと思ったりします(笑)。

おお、パイプをお吸いになるのですね。BJ先生の影響ですか?^^ そうですか、プロムナード。甘い香りがしますよね♪ BJ先生のお好みと同じ銘柄だったらいいですね。
コメントありがとうございました~^^

投稿: わかば | 2013年12月25日 (水) 22時48分

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