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先週は月曜日に確定申告も終え、なんとか一段落。やっと落ち着いて読書ができる環境になったものの、いまは本よりも現実のニュースのほうに興味が湧いているという状況だ。

第二の山中教授になるかと思われたO氏が、第二の佐村河内氏になってしまったのには唖然とした。百歩譲って、本当にSTAP細胞を作り出した可能性は残っているとしても、博士論文でコピペをした事実からして言語道断であり、その時点で科学者を名乗る資格はないと言うほかない。博士論文の指導教官も責任を問われてしかるべきと思うが、それ以前に、彼女には何か大事な感覚が欠落しているように思われて、それまで指導教官の責任とするのは気の毒な気もする。

つまり、コピペや切り貼り、あるいは使い回しの写真を載せるといった嘘の出来があまりにも稚拙で杜撰なのだ。全世界をだまくらかすなら、もうちょっと上手くやらないと(笑)。いや、これは冗談だが、つまり彼女には嘘を吐いたという感覚がないのではないかと思うのだ。

むかし、こんな話を読んだことがある。タイトルも作者も覚えていないのだが……。男Aとその友人Bが雪山に登り、山小屋に泊まることになった。何が原因だったか忘れたが、AがBを殺してしまう。AはBの遺体を雪に埋め、ひとり山小屋の囲炉裏端で寝る。ところが、ふと目が覚めるとBが自分の横に横たわっている。Aは再度Bを雪に埋めて一人で寝るが、目を覚ますとまたBが横にいる。何度もこれの繰り返しである。次の日に山小屋にやってきた人々が目にしたのは、雪の中からBの遺体を掘り起こして囲炉裏端に置くAの姿だった……。

Aの無意識下における良心の呵責がなせる業だったという話だ。もちろん殺人と嘘を吐くことを同列に考えることはできないから程度の差はあるだろうが、自分の良心に反することをしでかしたとき、どんなに自分の意識(あるいは無意識)の中から追い払おうとしてもそれができない(罪の意識がある)という点では同じではないだろうか。そしてそれは人間にとって大事な感覚だと思うのだが。

今回の件、綺麗に着飾ってしゃあしゃあと公の場に出た彼女の姿が、いまになって思えば不気味でしょうがない。あのときの彼女は、こんな論文で人を騙せると思った世間知らずのお嬢様だったのか、あるいは自分の無意識下の良心の呵責までコントロールできた「科学者」だったのか……。

【メモ】
刺激惹起性多能性獲得細胞(しげきじゃっきせいたのうせいかくとくさいぼう、英: Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency cells)

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