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戦争をする日本なんか望んじゃいない

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。---(日本国憲法前文より抜粋)---
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第二章 戦争の放棄
第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
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上記の文章を読んで、どこをどう押せば「集団的自衛権の行使は解釈的に可能である」という結論が導き出せるのか、どうしてもわからないワタクシである。ʅ(‾◡◝)ʃ

ところで、ちょっと前に『9条どうでしょう』(内田樹、小田嶋隆、平川克美、町山智浩著)を読んだ。護憲・改憲の二種類の「原理主義」のいずれにも回収されないような憲法論を書くという目的で集まった4人の著者のそれぞれの言い分が面白い。「九条と自衛隊のねじれによる病の効用」「男は戦争が大好き」「現実性より方向性」「普通の国のチープさ」などというテーマのもとに論旨が展開していき、4人ともに「憲法第9条を変える必要はない」という結論で一致する。ウヨクの方々からすれば読むにも値しないと思われる本だろうが、なかなか興味深い一冊であるのは間違いない。

新たな発見もあった。政治家の弁を鵜呑みにしてはいけないとつくづく思ったのは次のような点である。改憲派はよく「日本国憲法のように数十年間も改正されない憲法などない」と世界を引き合いに出すが、戦後40回も改憲してきたというドイツの場合は「ドイツ連邦政府と各ラント(アメリカの州にあたる)との関係性を定めた細かいテクニカルな条項がほとんど」であり、「再軍備のために個別の条項を改憲した時も、日本の憲法第九条にあたる戦争禁止の条項は改正していない」。のみならず、「表現の自由」の規定では、大学や学校で憲法を批判する自由すら認めていないという。フランスにおいてもまた、憲法の基本理念である人権宣言を書き換えることはできないし、アメリカにおける独立宣言が書き換えられることも未来永劫、ない。つまり、「憲法は社会の実態に合わせて細かい部分は随時修正されていくが、その基本理念だけは絶対に変えられない」のである。自ら戦争を放棄することで世界平和を願うのが日本の基本理念であるならば、9条は絶対に変えてはならぬのである。----「」内の引用は「改憲したら僕と一緒に兵隊になろう」(町山智浩著)の部分より)----

興味を持たれた方にはご一読を願うとして……。

最近の安倍政権のやり方を見ていて気になるのは、「戦争」も「外交」の一部だと思っている節が見えることだ。中国に対しては武力を背景とする勢力拡大はいけないと言っているくせに、それに対抗するために我が国も武力を整備してアメリカと一緒に事に当たるのだというのは論理的に矛盾している。そもそも日本国憲法はそれを許していない。まあそれを「解釈」の問題と称して突破しようとしているわけだが……。政治家なら「戦争」ではなくて「外交」をしてもらいたい。少なくとも両国のトップ会談は絶対に必要だ。やらなくていい靖国参拝をしていまだにトップ会談ができない状況を作り出したことは、もはや「外交」をする気がないという態度にしか見えないのである。

強い日本を取り戻すだの、積極的平和主義だの、威勢が良くて聞こえのよい進軍ラッパに踊らされるのは、まっぴらごめんだ。

【お断り】こういう世論を二分するような問題に関しては、皆様それぞれの見解がおありになると思います。コメントとして持論を開陳されることは構いませんが、ここで論戦になることは決して望んでおりませんので、賛否如何にかかわらずこの記事に関しては私からのお返事はご遠慮させていただきます。また、暴力的なコメントやただ揶揄するだけのコメントがあった場合には遠慮なく削除させていただきますので、何卒ご了承くださいませ。m(_ _)m

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