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怒ってます

たしか落語の『船徳』だったと思うが、一つの内緒ごとを親方にバレないようにしようとして言わなくてもよいことまであれこれしゃべってしまい、結局語るに落ちた船頭に向かって親方がこう言う。「お前はそういう馬鹿だ」。なるほど、馬鹿にもいろいろ種類があるのだなぁと笑ってしまうのだが、世の中には絶対に許せない馬鹿もいるようで……。

都議会で塩村文夏都議が晩婚化の問題について質問しているときに「自分が早く結婚すればいい」などとヤジを飛ばしたとして、鈴木章浩都議が謝罪した。塩村氏に直接謝罪したときの言動も記者会見をしたときの文言も、言い訳にもならぬ言い訳と嘘ばかりでとても謝罪と言えるシロモノではなく、おそらく反省なんてこれっぽっちもしていないだろうということはたいていの視聴者にもちゃんと伝わったのではないかと思う。わが身を守ることだけに汲々として、それがバレバレだという空気も読めず、ヤジで言った言葉の持つ深刻さにもまったく気づいていない、この人はそういう救いがたい種類の馬鹿だ。

鈴木氏にもご家族がおありで、そのご家族のことを思うとあんまりなことは言いたくないのだが、この事件だけはどうにも我慢がならぬ。

女性蔑視のセクハラ発言であることや、そもそも議会においてあんな下劣なやじを飛ばす品性の無さなど、世論やマスコミで言われていることはたしかにもっともだと思う。しかし、私が腹が立ってならぬ理由はもっと他にある。ただのセクハラ発言というのなら、何年か前に元厚労相だった柳澤氏の「女は産む機械」発言というのもあったが、このとき私はたいして腹も立たなかった。「あらあら、墓穴掘っちゃって。女を敵に回して、バカだね~」という程度にしか思わなかった(→この記事参照)。そのときと今回のどこが違うか。

今回は完全なイジメなのである。柳澤氏はここ松江市で行われた講演会で不特定多数に向かって(自分が勝手にそう思っている)一般論として先の発言をしたのである。文脈を捉えずにそこだけピックアップされてマスコミの言葉狩りに遭ったという印象も若干あった。もちろん言わずもがなの言葉だったことは言うまでもないが……。しかし今回の鈴木氏のケースは違う。塩村氏のみに対してのいわれなき暴言である。そして鈴木氏のみならず周りの連中も「産めないのか」等の暴言を吐き、議長もそれを咎めることをせず、舛添都知事も笑っていたという。

これをイジメと言わずして何と言う。周りもみんな同罪だ。都議会の場でのイジメが堂々と全国に流されたのである。こんな奴らが都民の代表かと思うと、情けなさや怒りを通り越して胸が悪くなってくる。

その後の鈴木氏の対応の卑劣さは皆さんご存知のとおり。「私じゃありません」としらばっくれ、おそらく自民党本部からの指示があったのだと思うが数日たってから自分だと申し出て、ちっとも誠意のない謝罪をし、挙句の果てに「ほんとうのことを話す機会を逸した」だと!? 何遍もあったろうよ! さらには「自分でなくて誰がやるという気概で今後も都政のために働きたい」と決意表明までしてしまう厚顔無恥さは、まさに「馬鹿につける薬はない」を地で行っている。

今回のこと、単なるセクハラ発言事件として幕引きされてはいけないと思う。イジメの構図と併せて人権侵害として取り扱われるべきだ。そして鈴木氏には即刻議員を辞職していただきたい。でも、それを実現できないのが、自民党多数の数の原理……。都民の方々、特に自民党支持の方々に訴えたい。こんな人が自分たちの代表でいいんですか? これを見逃したら、あなたもイジメに加担したことになりますよ。

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「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

鈴木氏は次の選挙で必ず制裁を受けると思うが、「産めないのか」の発言者も党内では絶対に分かってると思うし、声紋分析すれば誰の発言なのかすぐに分かると思うし、早く晒してほしいです。うやむやに揉み消す事なく・・。
わかばさん、私も怒ってます。

投稿: | 2014年6月28日 (土) 16時08分

♥♥さん
コメントありがとうございます。
次は来年の統一地方選でしょうか。少なくとも次の当選者は「隣の席のヤジが聞き取れる」くらいの人であってほしいものです(決して聴覚障害者の方々を揶揄するものではありません)。
まったく、恥を知らない人に恥を知らしめるにはどうやったらいいのでしょう、ねえ、つるさん。

投稿: わかば | 2014年6月29日 (日) 22時12分

あれれ・・?
バレてる・・?

投稿: | 2014年7月 1日 (火) 20時22分

つるさん
んっふっふ~smile
分からいでか!

投稿: わかば | 2014年7月 2日 (水) 21時32分

(^^;

投稿: | 2014年7月 2日 (水) 22時29分

^m^

投稿: わかば | 2014年7月 3日 (木) 16時48分

えーと、言いたいことは全部わかばさんが言ってくれちゃってますので、この都議を批判した芸能人の意見について紹介したいと思います。

■フィフィが塩村都議を批判「議員失格」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140624-00000071-nksports-ent

このタレントがどういう人なのか知りませんが、その発言内容を簡単に記すとこうなります。

「日本に対するネガキャンが多い中、政治の恥を世界にさらすことはマイナスにしかならない。つまらないヤジに対応できずにその恥を世界発信。国益を考えて冷静に動けないなら議員失格だ」

「つまらんヤジ」と言い切ってしまうあたりに某自由○主党のニオイを嗅いでしまう気がしますが、要するに都議会での恥は都議会内部で何とかしろ、外国の圧力をアテにして日本外国特派員協会などを利用するな、ということを言いたいのでしょう。

ただ、国益という言葉を選んだことについては疑問を感じざるをえません。これは便利な言葉で、具体的にその内容を挙げることが困難です。戦争のために使われることもあれば、経済的な繁栄を求めるために使われることもあります。使用するのは大抵政治家ですが、経済人や軍人が使うこともあるでしょう。つまりは、使う人の立ち位置次第でその内容がコロコロ変わる、便利でかつ危険な言葉だということです。

都議会の恥を世界にさらすことが国益を損ねる、とした場合の国益とは、国のメンツとか体面を意味しています。確かにそうした意味で捉えるならば、日本のイメージに傷が付いてしまい、マイナスに働くことは否めません。オリンピックを招致しようとする都市の議会がこういう古い体質を持っていて、しかも自浄作用さえ失っているとなれば、これはもういい恥さらしですよね。

でも、女性蔑視の意識が高い都議会を今のままのさばらせておくこともまた、国益を損ねる行為であるような気がします。この場合の国益とは、社会の成熟度や国民性、人権意識などから判断される、「国としての品格」を意味していて、先ほどとは全然違う意味合いを持っていることになります。

セクハラ発言を受けた議員に対して、「もっと冷静な対応を取るべきだった」と批判することは、決して間違ったことではありません。正しいかどうかは別にして、そういう方法があることは事実です。ヤジがあった段階で発言者を特定し、議事録への記載を求めることも出来たかもしれません。

しかし、「国益」を引き合いに出して、誹謗中傷を受けた議員を批判するのはおかしなことです。国のメンツなどより、都議会が議員とはいえ個人に対して名誉毀損、人権侵害とも取られかねない発言を容認していた事実の方が、ずっと重大な問題であるはずです。それを外国に対して隠そうとすることに、一体どれほどの意味があるというのでしょうか? 隠したところで今度は、日本の品格そのものが疑われるだけです。

隠したところですぐにバレる恥を隠し、表面上メンツを保ったように取り繕うべきか。恥は恥としてさらけ出し、それを正そうとする姿勢を見せるべきか。どちらがより「国益」に適うことなのか、すぐに判りそうなもんですけどねぇ。

投稿: モトキ | 2014年7月 4日 (金) 00時14分

モトキさん

残念ながらリンク先の記事はもう見られなくなっていましたが、書いてくださった説明でおおよそのところはわかりました。フィフィさん、エジプト(?)出身のタレントさんだったかと思いますが、日本のことを心から心配してくださったのならありがたいことではあります。

たしかに塩村議員の対応は他にもっとベターなやりようがあったかもしれません。もっと老獪な議員だったらと思わないでもないですね。私なら「いまの不規則発言はどなた? ○○さん? なら、あなた、産ませてくださる? うっふん♥」くらいのことは言って議事録に相手の名前を載せますが、これだと私も品が無いと袋叩きに遭いますね(汗)

「国益」ねえ……。確かに、用いる人の立場によってどんな意味にもなりますね。戦争が始まるのもたいてい国益を守るためなのですから、なにか人を動かすときの大義名分としてはもってこいの言葉かもしれません。

ただ、どんな大国の国益よりも尊重されるべきは市井の一個人の人権だというのが私の持論ですので、私もフィフィさんの意見には同調できません。いろんな意見の人はあるだろうに(且つ発信もしているだろうに)、なぜ今このフィフィさん(失礼ながら一流有名どころでもないタレントさん)の見解が取り上げられるのか、誰かの作為が働いているかもしれないということは疑ってもよいかもしれませんね。体制が全体主義に向かって動いている気配のある現在は、特にこういうことにも敏感にならなくてはならないと思います。

恥を海外にまで晒すなというのなら、わあわあ泣いた兵庫県議こそ大問題。いや、そんな議員を選んでしまった県民が大問題というべきか。このことについてもフィフィさんは何かを語っておられるのでしょうかね?^^

投稿: わかば | 2014年7月 4日 (金) 22時14分

前回のコメントで、議会でヤジを投げつけられた時の塩村議員の対応について、「他にやりようがあった」と申し上げました。この発言は訂正しなければなりません。(-_-;)

■都議会やじ差別発言、アメリカだったら?
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20140701/184821/?ref=twitter

この記事を読んで、日本社会の差別に対する鈍さと無神経さに気付かされました。塩村議員はあの時、諦めたような笑顔を浮かべることで自分を殺さなければ、身を守ることが出来なかったのだそうです。タレントの発言にも一理あるだろうと考えた自分が愚かでした。(_ _;)

塩村議員個人へのネガティブキャンペーンも盛んに行われていますが、そのことひとつ取ってみても、如何にこの国が淀んだぬるま湯に浸かっているかが判ります。長い記事ですが、お時間があればご一読なさってみてください。(^^ゞ

投稿: モトキ | 2014年7月 5日 (土) 14時26分

モトキさん
ご紹介いただいた記事を読みました。女性が書いた記事ならではの共感できる部分が多々ありました

あのときの塩村議員の笑顔はよく判ります。相手を糾弾する力と余裕がないとき、ああすることでしか自分の精神的優位性を保つことはできなかったと思います。咄嗟に何も言い返せなかったのは残念ですが、少なくともあの場で泣き崩れたりするよりは褒められてもいいと私は思いました。ハラワタ煮えくり返っていたでしょうが、彼女はよく頑張ったと思います。あの場はあれでやり過ごして、実際に彼女があとからやったように、世界中に晒してやるというのは次善の一手だったでしょうね。

咄嗟に反撃ができるためには、記事中にもあったように、いつもそんな状況を想定してセリフを考えておくしかないと思いますが、そんなことをしなくては議場で討論もできないというのは、あまりにも情けなく恥ずかしい状況だと嘆かわしく思います。

記事によれば、アメリカでは男女差別をしてはいけないという「建前」が常識となっているという話ですが、記者が「建前」だと感じてしまっていることで、そのやり方もなんだか底が浅いなと思わないでもありません。男女同権ではあるべきですが、男女の(差別ではない)性差もまたあってしかるべきと思います。たぶんそれは国によって違うのでしょう。日本の女は三歩下がることによって男に多少の優越感と女を守るべき立場を認識させ、同時にそうやって男を立てることで「出来た女だ」という評価を得てきたのだと思います。男にとっても女にとっても「損」のないやり方だと思います。先陣切って歩いている男が性差別をしていると思われるアメリカのほうが、却って不自由だと思わないでもありません。

良くも悪くも、男のほうが女より物理的に力が強いというのが絶対的前提ですね。それを認めた上で、アメリカでは「建前」を以てして男女を同権とし、日本では相手を立てたり守ったりすることで精神的に平等であらんと文化を培ってきたのではないかと思います。

日本では自分の権利ばかり主張したり相手の弱点を突いたりするやり方は嫌われますよね。アメリカだったら当然の権利だとしても、日本では敢えてそれをしないのが美徳でしょう。そういう意味からも、今回のヤジ事件は、どこからどう見てもスマートさや優しさや思慮深さの欠片もない、ただ無性に腹立たしいとしか言いようのない一件だったと思います。それに続くネガティブキャンペーンの的外れっぷりには、ただもう呆れるしかありません。┐(´ー`)┌

投稿: わかば | 2014年7月 7日 (月) 15時57分

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