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五分五分

英北部スコットランドの独立の是非を問う住民投票が18日午前7時(日本時間午後3時)から全域で一斉に始まった。直前の世論調査では賛成反対が拮抗しており、フタを開けてみるまでどちらに転ぶかわからない情勢のようである。

スコットランドについての知識などまったく持ち合わせていないので、イギリスや世界にとってどちらが良いのか見当もつかない。しかし、1票でも多ければ即座にそちらに決定!というやり方には少々驚く。潔いといってこれほど潔いこともないのだが。

思い出したのは『徒然草』の第98段の文言。「しやせまし、せずやあらましと思ふ事は、おほやうは、せぬはよきなり」のところである。「しようか、やめようか、と悩むようなことは、大方はやらないほうがよい」というほどの意味だろう。スコットランドという国を一人の人間と考えた場合、独立したほうがいいか、しないほうがいいかと五分五分で悩んでいるとき、それはしないほうがいい、ということになる。

兼好法師がどのような理由でこの言葉を書きつけたのかはわからない。現状を変えるときには止むに止まれぬくらいの勢いが必要だと思ったのか、迷うような事柄ならどちらに転んでもたいして変わらないのだから何もする必要はないと思ったのか……。なかなか奥の深い言葉だと思う。さて、スコットランドの人々はどういう決断を下すのかな?

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コメント

独立はしませんでしたね~。(^^;)

グレート・ブリテンが分裂するという事態は回避されましたが、数年後には英国自身がEUからの離脱をかけて国民投票を行うそうです。万が一、ここで離脱が現実のものになると、スコットランド独立問題が再燃する可能性が高いのだとか。北アイルランドも黙ってはいないでしょうし、むずかしい問題です。(-_-;)

ただ、独立を望むことと、現実問題として独立国家を営んでいけるかどうかは別問題ですし、独立したとしてもEUに加盟できなければ先行きは怪しいと言わざるを得ません。なにしろ、カタルーニャの独立問題を抱えたスペインは、スコットランドのEU加盟を絶対に拒否すると言われていますから。(^^;)

立派だと思うのは、独立推進派の政党がすぐさま投票結果を尊重する、と声明を出したことです。議論はする。でも結論が出たらそれに従う。英国はそういう点で世界のどの国よりも潔いのかもしれません。

ただ、それも裏を返すと、英国からさらなる譲歩を引き出すための方便だったのではないか、という疑惑も出て来そうです。投票前に賛成派が過半数を超えたこと。慌てた英国が引き留め策を公表すると、反対派が一気に盛り返したこと。いずれも独立を望む(と見せかけた)人々の思うつぼだったのではないか、と考えてしまいます。(^^;)

この先、北アイルランドもウェールズも同様の譲歩を求めてくるでしょう。グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国は、よりいっそう危うい綱渡りを強要されることになりそうですね。(^^ゞ

・・・わかばさん、徒然草の98段なんてよくご存じですね~。私は初めて知りました。案外、スコットランドの人々はそのことをよーく知っていたりして。(*^ω^*)

投稿: モトキ | 2014年9月21日 (日) 00時32分

モトキさん

コメントありがとうございます^^
独立はなりませんでしたねぇ。スコットランド人がまさか高校時代に『徒然草』を習ったわけでもないでしょうから(私は高校の古文で習いましたよ^^b)、現在の不満よりも独立した後の不安のほうがより大きかったということではないかと思います。

日本というほぼ単一民族で単一言語の国にいると、世界地図というのはもうこれで決まったものだと勘違いしそうになりますが、大国に併合された歴史を持つ地域や小国家の思いを考えるには良い機会だったと思います。まあ、韓国のようにもう既にちゃんと独立しているにも関わらず相変わらず過去のことをネチネチ言ってくる国もあるわけで(たまらんのぅ~)、虐げられたり不満を抱えたりしている民族の記憶というのはいつまでも怨念のように残っていくものなのかもしれません。

今回のスコットランドでは、民主的に国民投票が行われ、裏ではある程度自治権の回復を勝ち取って、なんとか平和裏に収まったように思いますが、ウクライナやチベット等を巡っては公正さを望むべくもない環境であることを憂えます。未だに大国の帝国主義的な思想の犠牲になっている人々がいるのは、どうにかならないものかと思います。

モトキさんのご指摘のとおり、この先イギリスもカタルーニャもどうなっていくのか目が離せませんね。しかしどのような経過を辿るとしても、人の命が損なわれることのないように、国土を荒廃させることのないように、人間の叡智を絞り出してほしいものです。

投稿: わかば | 2014年9月21日 (日) 23時09分

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