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2016年5月

言い訳

家族旅行で泊まった部屋で会議をしたと言い張る都知事の言い訳には、呆れを通り越して笑うしかないが、いまはリーマンショック以前の状態と同じだなどと頓珍漢なことを言って消費税増税を先送りする言い訳にする某国首相には怒りしか湧かない。

たしかに貧乏消費者にとって消費税をアップしないのは助かる。しかしそれがアベノミクスの失敗によるものと認めずに、世界経済の悪化のせいだとするのはいかがなものか。その姑息なやり方が気に食わないというのだ。

この際ついでに言わせてもらうが、そもそものアベノミクスからして私にとっては気に食わなかった。あれは一言で言えば「貧乏人はお金持ちのおこぼれを待っていろ」という政策である。まずはお金持ちをさらに儲けさせ、そこで発生するかもしれないわずかな余剰金が下々の者の手元に届くのを大人しく待っていなさい、ということだ。結果、私の手元にはまだ届いていない。おそらく、未来永劫、届かないだろうと思う。

私は経済というものにまったく無知であるが、お金持ちというのはお金を無駄に使わないで更に己にお金が入ってくるように運用するからこそお金持ちでいられるのだということくらいはわかる。貧乏人に施して破産したお金持ちを私は知らない。(仏伝ではスダッタ長者というのが出てくるけれども……、彼は破産したのだっけか?)とにかく、私に言わせれば、アベノミクスはただ貧富の差を拡大させるだけのもので、貧乏人にとっては無為無策の極致であるということだ。

ふむ。ついでの話のほうが長くなりそうなのでここで止めるけれども、要するに、自分は悪くない、世界経済が悪いなどと、自分たちが決めた法律を破ってまで話を有耶無耶にしてしまおうというその心根の貧しさが、みっともなくて恥ずかしいという話である。

都知事も首相も、下手な言い訳をせずに「ごめんなさい」と言って、それなりの責任を取ったほうがなんぼかスマートだと思うよ。

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オバマ大統領、来広

歴史的な日であった。専用ヘリからビーストによる移動、原爆資料館見学から演説まで、ずっとテレビにくぎ付けになって見ていた。よもやテロリストなどに襲撃されることはあるまいなとハラハラドキドキしながら見ていたが、まずは日程を無事に消化できてよかったと思う。

さて、演説の中で一番心に残ったところを抜き書きしておく。
We must have the courage to escape the logic of fear and pursue a world without them.
We may not realize this goal in my lifetime, but persistent effort can roll back the possibility of catastrophe.
(them は “nuclear weapons”)

この控えめな物言いが、彼の真に平和を希求する心を表わしているようで、なんとも嬉しかった……。

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アニメ『YBJ』のナレーションまとめ

昨秋TBSで放映されたアニメ『ヤング ブラック・ジャック』(以下『YBJ』)。こちらでは放送がなかったが、M氏が4話ずつDVDに焼いて送ってくださったので、私はほぼリアルタイムで全話を観ることができた。ここに改めて御礼を申し上げたい。ありがとうございましたm(__)m

それから半年、感想を書く書くと言いながらなかなか書けずにいる。本家『ブラック・ジャック』(以下『BJ』)がアニメ化されたとき(あれはもう10年以上も前のことか)には、文句をつけながらも毎回の感想を書いた。あのころにはアニメに触発されてBJのサイトやブログがいっぱいできたし、サイトマスターさん達との交流も楽しかった。ああ、懐かしいなあ……。

このたびの『YBJ』のアニメ化も、絵は綺麗だったし、決して出来は悪くなかった。だがしかし、あのころのようにのめり込んで感想を書こうという気がどうしても起きないのは、ひとえに、私が『BJ』を好きすぎて『YBJ』は一つの二次創作作品だと感じてしまうせいであろう。『BJ』を知らずに『YBJ』を観たならばこれはこれで面白い作品ではあるのだが、私の考える間黒男くんはまた別の人生を送っていたわけで……。と、これはアニメ『YBJ』の感想ではなくて原作『YBJ』の感想ということになるのか。う~む、難しいな(汗)。

というわけで……。内容その他についての感想を書こうとするのは潔く諦めて、アニメ『YBJ』を観て一番印象に残った各回のOPと最終回のEDのナレーションを書き留めておくことで感想に代えたい。ナレーターは大塚明夫氏。原作『YBJ』を読んだときよりも、間青年が青春時代を送ったのはこういう時代だったんだということが、よくわかった。そして最終回のEDで、間黒男がBJになったシーンは「来たー!」という感じであった(笑)。
アニメのEDではトランプの絵柄に手塚キャラが描かれていて、それも面白かった。誰が誰なのか、ただいま鋭意調査中。でもよくわからな~い(汗)。結果はいずれまた。

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第1話「医者はどこだ!」
混迷の時代、若き日本は急成長を遂げると同時に、数々の問題を生み出していた。1968年、東大紛争が勃発。それを契機に多くの若者たちが国家権力との闘いへ突き進んでいった。そんな時代、大きな時代の波に背を向け、ただ一人命との孤独な闘いに身を投じた若者がいた。その名は間黒男。後にブラック・ジャックとなる男だった。
 OPのネガ画像:国会議事堂の前「安保反対」「共闘」のプラカード、学生運動、機動隊との闘い、催涙弾、東大安田講堂

第2話「拉致」
1967年、驚くべきニュースが世界を駆け巡った。世界初の心臓移植手術が成功したという知らせだった。しかし間もなく患者は死亡。その後、幾例かの心臓移植手術が行われるも、他人の臓器に対する拒絶反応は強く、医師たちに新たな課題をつきつけることとなった。
 OPのネガ画像:手術風景、記者会見、人工心肺

第3話「脱走兵」
アジアの一角、ベトナムで繰り広げられていた戦いは、テレビを通して放送された最初の戦争でもあった。リアルタイムで報道される戦争の現実は世界じゅうに反戦の波を引き起こすとともに、活動家たちの中からより過激で直截的な反戦行動に訴える者たちも生み出した。
 OPのネガ画像:テレビに映し出されるベトナム戦争、空母(ミッドウェイか?)、「歩きましょう!原子力空母に抗議して」デモ行進、放水

第4話「ベトナムにて その1」
1968年1月30日、ベトナムの旧正月「テト」に当たるこの日、それまで限定的なゲリラ戦を主な作戦としていた南ベトナム民族解放戦線が、突如全土で本格的な攻撃を展開した。これを機にベトナム戦争は拡大の一途をたどる。戦局は混迷を深め、戦いは泥沼化していった。
 OPのネガ画像:戦車、兵士、ヘリ、アメリカ兵、逃げる人々、安田講堂、放水、空から銃撃される蓮の花、枯葉剤散布

第5話「ベトナムにて その2」
ベトナム戦争に明確な始まりはない。国際的な取り決めに基づいて行われた選挙の結果誕生した北の政権に対抗して作られた南ベトナム。その国内で起きた内戦が、後にベトナム戦争と呼ばれることになる泥沼の始まりだった。当初、戦力的な優位は南の政府軍側であった。しかし、秘密の輸送路から湧き出る反政府軍の攻撃の前に、南の政府軍は次第に苦戦を余儀なくされていくこととなる。
 OPのネガ画像:燃える大地、泣きながら逃げる子供たち、縛られて撃たれる男性、タグボートから上陸するアメリカ軍、負傷兵
 ※1973年にピューリッツァー賞を受賞した「戦争の恐怖」という写真

第6話「ベトナムにて その3」
アジアの一角で起きたこの戦争では、1人の人間を殺すために20万発の銃弾が浪費されたという。膨大な量の砲弾や爆弾がジャングルの上に撒き散らされた。しかしどんなに大量の弾薬を投入しても、この非対称な戦争を終わらせることはできなかった。
 OPのネガ画像:水牛、農耕、墜ちる飛行機、銃を持つベトナム人

第7話「苦痛なき革命 その1」
リンカーンの奴隷解放から100年近く過ぎても、有色人種に対する差別は公然と続いていた。それを覆したのがマーティン・ルーサー・キング牧師だった。彼は徹底して非暴力を貫いた。黒人がアメリカ市民としての権利を獲得するための公民権運動は、やがて白人市民の魂をも揺さぶり、1964年7月2日ついに公民権法が制定され、アメリカの人種差別は終わりを告げた。少なくとも法律の上では。『1968年4月4日、キング牧師暗殺』
 OPのネガ画像:リンカーン像、黒人デモ、キング牧師演説、セントラルパーク、キング牧師死亡

第8話「苦痛なき革命 その2」
第一次世界大戦以降、戦場においてシェルショックと呼ばれた障害が激増した。その後の研究で、このストレス反応は戦場のみならず帰還後の兵士たちにも重篤な後遺症を残すことが判明。やがて「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」と呼ばれるようになった。今なお多くの帰還兵たちがこの障害を抱え苦しみ続けている。
 OPのネガ画像:WWI、ベトナム戦争、兵士の群像

第9話「無残帳 その1」
この時代、手塚治虫は一人の青年と妖怪との闘いを描いた『どろろ』を制作した。主人公・百鬼丸は、父親が魔物と交わした契約により、体の48ヶ所を失ったまま生を受ける。この作品は、戦後という時代背景から生み出された数々の事件や出来事がちりばめられていたという。
 OPのネガ画像:『どろろ』アニメ

第10話「無残帳 その2」
第二次高度成長期の中、日本がGNP世界2位に躍り出た頃、月面着陸、歴史的なロック・フェスティバルなど、新しい時代の息吹を感じさせるニュースが世界を駆け巡ると同時に、フランス人女性のフランシーヌが戦争を悲観しての焼身自殺を起こし、アメリカでは女優シャロン・テートが惨殺されるなど、衝撃的なニュースが世界を震撼させた。時代の混迷期にあって様々な出来事が交差する中、医学生から医師に近づきつつあった間もまた、否応なく医学会の光と闇に触れようとしていた。
 OPのネガ画像:公害、自動車の渋滞、日本エキスポ、月面着陸、ウッドストックフェスティバル、ベトナム戦争、女性の目
 本編中に流れたニュース:樺美智子さんをしのぶフォークゲリラ云々
 ※1969年6月15日、新谷のり子の歌う『フランシーヌの場合』が発売され、80万枚の大ヒットとなった。

第11話「無残帳 その3」
医学会の腐敗を描いた映画によって一躍有名となった教授総回診。大名行列と揶揄されるほど長く連なる総回診は、教授が患者の状況を把握し総力を挙げて治療に当たっていることを示すなど、多くの意義を持つものであるが、教授が医師たちを連れ歩くその姿は権威の象徴そのもので、医学界のヒエラルキを見事に表していた。
 OPのネガ画像:教授総回診の様子、階級のひな壇に立つ医師
 ※田宮二郎主演の映画『白い巨塔』は1966年公開。

第12話「狂騒の季節」
東大紛争に端を発し全国へと広がった学生運動は、安田講堂への機動隊突入をピークに急速に下火となっていった。しかし、一部の学生たちは暴力革命を目指して過激化していく。運動を闘いへとシフトさせた彼らはその後、昭和の日本を揺るがす凶悪事件の数々を引き起こしていった。
 OPのネガ画像:安田講堂、機動隊、よど号、あさま山荘

Ybj_ed第12回ED
己が目指したはずの医学界の腐敗、国民を守るはずの国家権力の非情、さらには軽んじられる命。医学生時代の間が知ったのは、深い深い絶望だったのかもしれない。
 『それでもオレは人を治す! 自分が生きるために!!』
やがてオレは間黒男という名を捨て、ブラック・ジャックとなった。

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水谷優子さん追悼、朝日新聞記事

手塚作品の音楽を多く手掛けた冨田勲氏のご逝去に続き、TVアニメ『ブラック・ジャック』においてピノコを演じた水谷優子氏が亡くなられた。大塚明夫氏のツイッターを覗いたら、5月20日の日付で「ありがとうな・・」と一言つぶやいておられた。何も説明はないが、水谷さんに対しての言葉だと思う。大塚さんのBJと水谷さんのピノコのコンビはとても安定感があった。ツーと言えばカー。長年コンビを組んできたお二人が培ってきた雰囲気は、まさにBJとピノコの関係を思わせるものがあった。もう二度と再びあの掛け合いを聞くことができなくなったのはとても悲しい。心よりご冥福をお祈りしたいと思う。

さて、こうした悲しい話題もあるが、18~19日の朝日新聞には「手塚ワールド 創作の泉」と題した記事が載った。手塚マンガに触発され、新作を創り出すクリエーターら4人が紹介されており、その一番最初が現在連載中の『ヤング ブラック・ジャック』の脚本担当・田畑由秋氏だった。以下、記事を書き写しておく。

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ひねり加えた「正義」が魅力

Photo無免許の天才外科医ブラック・ジャック(B・J)。その若き日を描くのが秋田書店「ヤングチャンピオン」で2011年から連載中の「ヤング ブラック・ジャック」(既刊10巻)だ。

脚本を担当する田畑由秋は「手塚先生の原作は、各話完結で構成力がすごい。ストレートでなくひねりを加えた“正義”の描き方も魅力。時にあっけなく人が死ぬところには無常感も漂う。背景に先生の戦争体験があるのでは」と話す。

主人公の医学生間黒男(後のB・J)は「原作と逆に、正義と熱血を前面に出した」。物語に3億円事件やベトナム戦争を取り込み、極限状況下で医者の使命、命の価値を考えさせる。「どんな体験を経て彼がB・Jになるか。歴史作家が史料から真相を探る気分です」

手塚流「スターシステム」を踏襲し、名脇役のヒゲオヤジやアセチレン・ランプから、アトムや「リボンの騎士」のサファイヤまで総出演。「どろろ」の百鬼丸は、自分を実験台に高性能の義手・義足を開発する医師として登場する。

作画担当の大熊ゆうごが描く美麗な手塚キャラは「ここまで色気が出るとは」と田畑もたたえる。昨秋、テレビアニメ化もされた。
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