« 2016年10月 | トップページ | 2016年12月 »

2016年11月

principle

キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長が90歳で死去した。暗殺未遂事件は600回を超えるというから、天寿を全うしたことはまず奇跡に近い。ゲリラ戦に斃れたチェ・ゲバラとは対照的だ。1959年のキューバ革命を成し遂げ、キューバ共産党による一党独裁体制を敷いたわけだが、カストロ議長死去のニュースを観ながら夫と「共産主義と社会主義ってどう違うの?」という話になった。

夫は「共産主義を目指す途中の形態が社会主義」と言い、私は「いくつかある社会主義思想の中のひとつが共産主義」と思っていた。ネットで調べてみると、どちらも間違いではないようだが、明確な違いがいま一つ理解できない。頭が固いな~と嘆きつつ、この年齢までこんなことさえ知らずに生きてきたことに呆れる。

世界中でいろんな政変が起こり、新しい組織や指導者が過激な方向に舵を切りそうな昨今、世界中の国民が賢く考えなくてはならない時代になったと思う。学校で教わったこと以上にいろんな知識を身につけなくてはならないと思う。政治体制、宗教、貧困などの社会の闇、歴史、憲法、……気が遠くなるほど、いっぱいあるなぁ。┐(´ー`)┌

よし。共産主義と社会主義の違いを調べ終えたら、次は「立憲主義」だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『100分 de 手塚治虫』

11月12日に放送された『100分 de 手塚治虫』のまとめを書いておく。『BJ』については、司会の磯野さんが「大人になって初めて『BJ』を読んだのが手塚作品の初めてで、アウトローで人の命を救ってかっこいいって本当に恋心を抱きましたね」と触れていた程度。

『100分 de 名著』でマンガが取り上げられるのは初めてのこと。手塚の漫画家デビュー70周年記念ということで、100分ぶっ続けの拡大版だった。ゲストは4人。女装家ブルボンヌが『リボンの騎士』と『MW(ムウ)』、映画監督の園子温が『鉄腕アトム』、精神科医の斎藤環が『奇子』、僧侶の釈徹宗が『火の鳥 鳳凰編』をそれぞれ取り上げた。

どのような視点で語られたのかは、これらの作品の傾向からだいたい察しがつくというものだ(笑)。ブルボンヌさんが、昨今のトランスジェンダーの傾向を手塚は既にこの頃から描いていたと語り、園監督は手塚の描線の色っぽさを語り、斎藤先生が手塚作品のエロさに不意打ちされて面食らった経験を語る。もう「手塚はエロだ」の大合唱であった(笑)。

では手塚治虫は何にエロティシズムを感じていたのか? 手塚自身がそれを語る貴重な映像も流された。それによると、「僕は生物、特に生身で動いてる生物にすごいエロティシズムを感じるんです。例えば猫とか犬とかが歩いてる時に、それは動物だからっていうんじゃなくて、生命力のエロティシズムですね。いわゆる性的なものじゃないんです。(中略)世の中の生き物の動きというものはだいたい円が基調の動きなんですよね。(中略)その滑らかさとそれからその流麗さみたいなもの。(中略)そういったようなものが動いた時のエロティシズム、これを追求したいんです」ということであった。

手塚が中学生の頃に見た夢の話も紹介されて、そこでは「(手塚は)やっぱ変態だな」ということで衆議一決(笑)。

前半は散々エロ話(?)に終始したが、後半は手塚の作家としての偉大さに焦点が当たる。斎藤先生は手塚の作品の特徴は「ポリフォニー」だと指摘する。トルストイの作品には多くの人物が登場するが、みんな作家の独り言を人物に振り分けてるだけ。しかしドストエフスキーはそうではなく、それぞれの登場人物が紡ぎ出す旋律が同時進行してある種のハーモニーを作り出している。手塚の『奇子』はそういう作品であり、「この漫画界でポリフォニックな作品を作り得た最初でひょっとしたら最後の人かもしれない」と言う。「教養人というのはいろんな文学とか映画とかを非常にたくさんインプットし、膨大なものを吸収して、それを自己流に消化して出力できるという回路を兼ね備えた人」とし、「手塚は最後の教養人だった」と語る。

最後は釈さんが語る『火の鳥』。『火の鳥』に描かれる世界観や生命観について「部分は全体と同じ、全体は部分と同じという入れ子構造が『華厳経』のようだ」という指摘がおもしろかった。また「『火の鳥』で描かれてる宗教性なり生命観というのはそれほど突飛なものでもない。ところがマンガにするととてつもない力を発揮する。やっぱりマンガならではの部分はあるんじゃないかと思う」と語る。『火の鳥 鳳凰編』で、我王が回心するシーンが取り上げられ、絵で笑わせてセリフでは何か気付きが起こったと分からせることなどマンガでしかできないのではないか。頭で一旦消化して腑に落ちるというんじゃなくて、もう直接くるものであるから、そういう宗教体験のようなものをわからせるにはこれほど適した手法はないのではないか、という指摘には説得力があった。

まとめ的な事柄として、「手塚が表現してきたことがまるで火の鳥のように後世の人々に繰り返し影響を与えて受け継がれているのは象徴的なことだ」という司会の伊集院さんの発言が心に残った。

私的感想としては、手塚というのは人間の非常に原始的な感性に訴える力を持った作家だったことを再認識できたことが大きかった。エロにしろ、回心という宗教的経験にしろ、それは頭で知性的に理解できるものではない。生き物なら何でも持っている本能に直接響いてくるものだ。極言すれば、それを感じられるということが生きているということなのだろうなと思う。そういう手塚の特性を、やれ今のオタク文化の走りであるとか、この線がエロいだのと分割して理由を後付けすることに意味があるんだろうか?と、少々違和感を覚えたことも付記しておく。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

Why American people?

次期アメリカ大統領に、クリントン氏を破ってトランプ氏が選出された。┐(´ー`)┌

直前の予想では確かにクリントン氏のほうが優勢と伝えられていた。票読みを誤ったのか? たぶん、隠れトランプ支持者が予想外に多かったのだろう。なんだかなぁ……。

春にイギリスがEUを脱退する国民投票があったとき、その結果にイギリス国民自身が「あれ?そんなはずでは……!」と焦っていた。今回も案外そんなふうなことの結果なのかもしれない。本当にこの結果でいいのかアメリカ国民?!と、問いたい。

トランプ氏の主張にも一理はあった。移民にアメリカ国民の仕事が奪われている、というものだ。しかしそれに対する悪態はトランプ氏の口から散々聞いたが、さて実際にどういう政策を行おうとするのかとなると、メキシコとの国境に壁を作る、くらいしか耳に入ってこなかった。口汚く相手を罵ることの快感に酔った国民が、軽はずみにその尻馬に乗ってしまった結果がこれなら、もうお手上げだ。

しかし、日本政府はこれからどうするのだろうね。アメリカの傘の下にいて物も言えないような状態から脱するには、絶好のチャンスとも……いや、いまの政権なら無理だな。

あ~もう~! ヽ(`Д´)ノプンプン

| | コメント (4) | トラックバック (0)

孤独は崇高、沈黙は金

史上最も醜い選挙戦を繰り広げてきた米大統領選も間もなく決着がつく。トランプ氏が選ばれることにでもなれば世界がどう変わってしまうのか、恐ろしいことこの上ないが、それを観てみたいと思う悪魔的な興味もないではない。きょうの時点ではクリントン氏がほんのわずかに優勢と伝えるメディアが多いけれども、FBIがメール問題で新しい情報でも出せば、どう転ぶかまったくわからない。

お隣の韓国でも大統領をめぐる事件が発覚。大統領の身内びいきはかの国のお家芸で、過去の大統領の多くもやらかしたが、今回は身内ではなく親友の一族が虎の威を借りて権勢を誇っていたらしい。いや、大統領が親友一族にマインドコントロールされていたとの見方もあり、そうなると大統領は初めから虎どころかただの傀儡だったのかもしれない。

ところで、クリントン氏と朴大統領の危機、とても似ているように思う。まず、どちらも女性であること。一般的に、女性は男性よりも共感力が高いといわれる。お互いに「判り合ってるよね」と思うところがあれば、それが100%の信頼にまで至ってしまうこともあり得るのかもしれない。誰かに自分の生命線を握られるような情報を漏らすなんてことは、男性ならしないだろう。誰かをとことん信じる、誰かにどっぷり首まで浸かることを一種の喜びとするのは女性ならではの特性ではなかろうか(石垣島の某大麻女優さんとか)。

第2に、電子メールという通信手段に足をすくわれていること。電子メールとかパソコンのない時代なら、事件は発覚すらしなかっただろう。極秘の相談をするのなら、やはり時代劇のように顔を突き合わせてコソコソとするのが一番安全な方法に思われる。重要な覚書はその場で火鉢にくべれば証拠も残らない。簡単な通信方法にはそれ相応の危険が伴うことを肝に銘じておかなくてはね。

しかし、アラブの春やISの台頭などもすべてネットによる情報に端を発している。情報は発せられた瞬間に一人歩きを始める。受け手はその情報を読み流すだけのこともあれば、恣意的な解釈を加えて拡散させることもある。情報を消去することもあれば、いつまでも保存しておくこともある。それらによって物事が良い方向に向かうこともあれば、悪い方向に向かうこともある。

人は必ず間違いを犯す生き物だし、悲しいことに善意だけで生きているわけでもない。自分が発信した情報あるいは情報を発信したこと自体が誰かを傷つけることもあれば、そのことが今回のように自分に刃となって返ってくることもある。私は大統領でも大統領候補者でもないが、今回の事件は自戒として覚えておこうと思う。自分ひとりで考えて、よけいなおしゃべりはしない。それが一番なんだろうなぁ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2016年10月 | トップページ | 2016年12月 »