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2017年4月

パンドラの箱

きのうは北朝鮮が何かやらかすかもしれない「Xデー」と呼ばれる日だった。結局、ミサイル発射も核実験もなかったようだが、この先いつXデーが来てもおかしくはない。心配なこと、この上ない。

とは言うものの、心のどこかでそれを観てみたいと思っている自分がいるのも事実だ。もちろん自分は安全圏にいて、それを他人事として観ているのが条件なのだが(ズルいね)。

前世紀に話題になった『ノストラダムスの大予言』。1999年の7月に世界のどこかで何も起こらなかったときには正直がっかりした。私の心の片隅にある破壊願望が満たされなかったからだと思う。

大戦中に東京が焼け野原になるのを経験した坂口安吾は、滅びの運命の美を描いた。大阪で空襲を受けた経験のある手塚治虫は、破壊は大スペクタクルだと言った。こんな天才たちを引き合いに出すのはおこがましいが、そういう感覚はわかる気がする。

もちろん安吾や手塚は自身がそれを経験したのであり、私の単なる想像上の悪魔的な破壊願望とはまったく違うものだろう。渦中に置かれた彼らの恐怖と憤りと悲しみは想像に余りある。しかし彼らはそれを経験したからこそ、後の創作活動の基盤となる哲学を持つことができたのだとも思う。とことんまで堕落したところからおのれの力だけで這いずり上がれと安吾は叫び、再生と命の輝きを手塚は描いた。とことん破壊されたどん底からしか、見えない希望があるのかもしれない。

この世から戦争行為がなくならないのは、人間の本能が行き過ぎた繁栄を危ぶみ、それを破壊しなくては希望は見つけられないことを知っているせいなのかもしれない。

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『ビブリア古書堂セレクトブック ブラック・ジャック編』

Bj 『ビブリア古書堂セレクトブック ブラック・ジャック編』(三上延編)読了。

帯に「『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズの著者が厳選した、『ブラック・ジャック』入門編が登場!」とあるように、三上氏が少年時代から慣れ親しんできた『ブラック・ジャック』から13のエピソードが収められている。チョイスされた13編は以下のとおり。おおかたの人気投票で上位に来る作品群とは一味違う、若い読者にインパクトを与えそうな作品が多い印象だ。

「畸形嚢腫」
「木の芽」
「ふたりのジャン」
「アリの足」
「なんという舌」
「その子を殺すな!」
「ガス」
「不発弾」
「ふたりの黒い医者」
「魔女裁判」
「身代わり」
「闇時計」
「台風一過」

各編に1ページほどの解説があり、また冒頭には「手塚マンガの恐るべきスタンダード」と題して『ブラック・ジャック』に対する著者の熱い想いが語られている。この文章が良いのだ! 同じファンとして嬉しくなってしまう♪ 以下、2段落ほど引用する。

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 私は手塚治虫を「マンガの神様」と思ったことは一度もない。ただ神として祀り上げられているような、そんなつまらない存在ではなかった。時には失敗を重ねながらも、一筋縄ではいかない読者という魔物を、あらゆる手練手管と全身全霊をもって何十年も引きずり回し、次のページを開かせ続けた恐るべき現役マンガ家だった。その偉大な苦闘の足跡が十五万枚を超える膨大な作品群として今も私たちの目の前にある。
『ブラック・ジャック』はその最も充実した成果の一つだ。生命とは何か、医療とは何かというヒューマンなテーマはもちろん、様々な社会問題を扱った目線の高さも評価に値する。しかし同時に「半分白髪でツギハギの無免許医」だの「畸形嚢腫から誕生した半分人工物の十八歳幼女」だの「安楽死を請け負うライバル医師」だの、立ちまくったキャラを縦横無尽に動かし、一話完結の多彩なストーリーをグロい手術シーンとともに毎週繰り出す、サービス精神てんこ盛りの神業エンターテインメントでもあるのだ。
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三上氏がいかに『ブラック・ジャック』という作品を愛しているかが如実にわかる文章だ。因みに『ビブリア古書堂の事件手帖』本編には『ブラック・ジャック』を扱ったお話がある。その感想を書いた記事はコチラ

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ピノコが観たら激怒するCM

「ブラック・ジャック」が看護師向け通販「ナースリー」のTV‐CMに業界初登場!!
2017年4月18日(火)から、北海道、新潟、静岡、愛知、岐阜、三重、広島にて、TV-CM「ブラック・ジャック驚く」篇が、放送開始。

ネットで観るならコチラ↓
https://www.nursery.co.jp/topics/cm_campaign/

「壊れたBJ」がコンセプトだったそうだが、こんなふうに壊れたBJはもうBJじゃないということがよっくわかったよ……。┐(´ー`)┌

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