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石牟礼道子さん死去を悼む

石牟礼道子さんが90歳で亡くなった。石牟礼さんといえば『苦海浄土』。それしか知らないが、これ一冊で充分と思わせる作品だ。生きておられる間にノーベル文学賞を取ってもらいたかった……。

この本を読むとき、読者は被害者と加害者の両方の気分を味わう。被害者の気持ちを表現するというところまでは他の作家でもできるだろうが、水俣病とは縁もゆかりもないはずの読者をして自分は加害者側なのではないかと思わせる力が底流に渦を巻いている。被害者に対して何もできない、忘れたふうを装って生きている自分は、水俣病を認めてしまっているのではないかと、のど元に刃を突き付けられた気持ちになる。決して忘れてはいけない視点だ。

一度読んだきり二度と読む勇気が出ない作品なのだが、そういう視点の持ち方を明確に私に教えてくれた作品だ。生涯、忘れない。石牟礼さんのご冥福を心からお祈りする(-人-)

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