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『小説ブラック・ジャック』

お気に入りの小豆キャンディを舐めながら『小説ブラック・ジャック』(瀬名秀明著)読了。まさに至福のひとときであった!

手塚の公式ページにて「週刊少年チャンピオン創刊50周年プロジェクト」として当該図書が発売されると知り、発売日に書店に行くも入荷が遅れるとのことで、予約して待つこと数日でゲット! 大事に大事に読み進めて本日読了。原作どおりのBJ先生に会えたのが嬉しくてたまらない!

帯の惹句には「現代科学・ホラー作家の代表格 瀬名秀明の書下ろし小説で『ブラック・ジャック』が蘇る」とある。瀬名氏の作品は『パラサイト・イヴ』しか読んだことがないが、あれはめちゃくちゃ面白かった♪ だから、その瀬名氏がBJを手掛けてくださったということだけで期待値MAXなのである♪

収録されているのは5編。同じく帯から各編の紹介を。

---医学界に一石を投じるヒューマンドラマ!

第一話「B・J vs. AI」
 医療ロボット技術は日進月歩。遂に自律型AIを搭載した医療ロボットが完成。その開発チームの医師の言葉は、あたかもB・Jへの挑戦状だった!

第二話「命の贈りもの」
 フライト前のB・Jに、青年は「弟は、いまも一四歳のままです」と言った。iPS細胞の新たな可能性を信じ、時が止まった命と対峙するB・J。

第三話「ピノコ手術する」
 ある夏届いた手紙に誘われ、中東の街を訪れたB・J。同時期、遠く離れた診療所の中、留守番するピノコの目前で小さな命の灯が消えかけていた!

第四話「女将と少年」
 B・Jの友人で医師の手塚は、中学生の息子を持つ行きつけの呑み屋の女将が心配だ。わが身を顧みず働く母を思い、息子から手塚に驚愕の提案が。

第五話「三人目の幸福」
 母の仇かつ身体と心に消えない傷を残した男の居所を掴んだB・J。たどり着いたその場所で、「死神の化身」と呼ばれる男、ドクター・キリコと遭遇。---

以下、できるだけネタバレしないように簡単に感想を書いてみる。

第一話「B・J vs. AI」
昭和以来のBJファンにとってどうしても心配になること、それは……進歩した医療ロボットがあればBJのような天才外科医は要らなくなってしまうのか?ということだ。海堂尊の「ブラックペアン」のドラマ版にはスナイプという医療機械が出てきたが、機械のアーム同士が邪魔で作動域が狭くなり、結局ヒトの力のほうが勝っていた。この話も同じようなオチになってしまうのかなぁと思いながら読み進めると……。「そうか。そうだよね!」と思わせてくれる納得の結末となった。後から思い出したが、原作の「U-18は知っていた」でも、BJと機械の相性はそんなに悪いものではなかったなぁと。第一話でBJ不要論はきれいに払拭された\(^o^)/

第二話「命の贈りもの」
兄弟愛の強さは原作「#19 木の芽」を、病名からは「#70 からだが石に……」を思い起こさせるが、ベースとなっているのは「#117 未来への贈りもの」である。タイトルも似ているね。私は「#106 浦島太郎」のようにはならないでくれよと、祈るような思いで読んだ(笑)。冷凍されていた弟が現代に目覚めるのが前半の山場とすれば、後半の山場はアノ人! びっくりした! ここは秘密にしておくが、今後この本が文庫化されたときの解説を書いてくれるのはきっとこの人だ(笑)。楽しみだな♪
それにしてもこの第二話におけるBJ先生の年齢はどれくらいだろう。計算すると50代~60代になるのではないかと思うが、私の脳内ではBJ先生はやっぱり原作どおりの姿で再生されている。ここはひとつ永遠に年をとらないサザエさん方式ということで……(笑)。

第三話「ピノコ手術する」
中東の町を行くBJはOVA版「カルテVII 白い正義」を彷彿とさせる。地雷原だろうとテロ頻発の国だろうと患者がいればBJはどこへでも出かけていく。この話でキーパーソン(?)となる患者は犬なのだが、同じころ留守宅のピノコの元へも怪我をした犬が運び込まれる。さあピノコどーする? ピノコの大奮闘が愛おしい一作で「#228 台風一過」のような読後感。そしてトロ子はどこへ行ってもトロ子。┐(´ー`)┌

第四話「女将と少年」 
手塚医師が主役の一編。「#127 執念」がベースかと思うが、女将と少年すなわち母と息子の愛情という点では「#41 植物人間」をも思い起こさせる。幕切れはほろ苦いけれども、懸命に生きることの素晴らしさを知って、このさき誰も後悔なんかしないだろうなと思えた。

第五話「三人目の幸福」
私事だが、以前にBJの二次創作をしていらっしゃるMさんのサイトのキリ番を踏んだときに「母の仇を見つけたBJ。その前にドクター・キリコが現れて……というお題で書いてください」とお願いして書いていただいたことがあった。第五話がまさにそれ!びっくりしたぁ~!Σ(・ω・ノ)ノ! もちろんMさんのお話と瀬名さんのお話の結末はまったく違うということは書き添えておこう。 
この話はネタバレしないと感想が書けそうにないので、……感想は書かないでおく(笑)。こういう行動に出たキリコの心理、あるいはBJとキリコの関係性を考えると、本当に興味深い、とだけ。

簡単に感想を走り書きしてみたが、医学に明るい作家さんが描くBJはなんだか安心して読めた。令和の世になってもBJの存在感は抜群だったのが嬉しい。原作を知らない読者にも面白く読める内容だと思うが、「チャンピオンで読んだ」なんていうお遊びのセリフもあったりして、それはそれで楽しい。そして、そうそう、ラストシーンは岬の家から夜空をながめるBJとピノコだったことを書き留めておこう。うん、やっぱり最後は「#185 六等星」だよね♪ このへんも私の趣味にドンピシャで嬉しかった。\(^o^)/

瀬名先生、素晴らしい作品をありがとうございます。続編、待ってますm(__)m

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いま気づきましたが、当ブログのカウンターが50万を超えていました。更新も滞りがちなこのような辺境ブログに足を運んでくださる方がいらっしゃることに、心からのお礼を申し上げます。
ありがとうございます!m(__)m

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コメント

50万越え、おめでとうございます。(*^ω^*)

そのうち少なくとも895回は私ですねー。(^^♪

そうそう、いくらAIが進化しても、患者の心まで見通すことは難しいように思います。人間同士だって上手く行かないことのほうが多いんですからねぇ。BJ先生はきっと不滅ですよ。
 

投稿: モトキ | 2019年7月22日 (月) 23時43分

モトキさん

お祝辞ありがとうございます!m(__)m
895回も?! それは間違いなく私に次いで2番目に多い回数でしょう。こんな所を覗いてないで、もう少し時間を有意義にお使いあそばしますよう……。m(__)m

AIも使い方次第で検査の省力化などには力を発揮できると思います。画像診断なんかには最適かと。
でもモトキさんのおっしゃるように、生身の人間を相手にした診断の分野ではまだ難しいかもしれませんね。人間は隠し事をしたりウソをついたりもしますから。
この本に出てくるAIは手術用ロボットです。BJ先生の価値はそこにもあったか~!と気づかせてくれる内容でした。
モトキさんも機会がありましたら、是非ご一読なさってみてくださいね^^b

投稿: わかば | 2019年7月23日 (火) 22時57分

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