常用漢字
この記事によると常用漢字の数が少し増えるらしい。また異字同訓の用法が新たに認められて、「臭い」と「匂い」、「怪しい」と「妖しい」等々の書き分けが可能になるらしい。大いに歓迎したい。
これまで、例えば「におい」を漢字変換しようとすると「臭い」も「匂い」も常用外となっていて、いったいどうしたものかと悩むことがあった。あるいは「斬る」や「伐る」も常用外だから「侍が人を切る」「木を切る」としか書きようがなかったのだが、これではまったく意味合いの違うものになってしまう。「斬る」という表記でしか表せない雰囲気が伝わらない。ということは、大げさに言えば、「斬る」という言葉の持つ文化そのものが伝わらないということだ。共通認識が形成できない。そういう意味で文化の断絶にも繋がる危険があることを憂えていた。せっかく微妙な違いを書き表す漢字があるのだから、使わないのはもったいないと常々思っていた。
いや、もったいないという以上に、単純に非常に読みづらいことがあるのだ。この記事では触れられておらず、このたびの検討作業で改善されるかどうかはわからないが、「表外字」の使用範囲ももっと広げてほしいと思う。例えば以前は「拉致」を「ら致」と交ぜ書きにしていた(←本来は「らっち」が正しいが、最近は大きな辞書でも「らち」が本見出しになっているようだ)。あまりにも読みづらいので今では漢字表記が多いようだが、この他にも「愛嬌」を「愛きょう」、「捺印」を「なつ印」、「改竄」を「改ざん」、「冤罪」を「えん罪」、「毅然」を「き然」等々、ちょっと思い出すだけでも枚挙に暇がない。もちろん各新聞社、放送局等にはそれぞれの表記ガイドラインがあって「毅然(きぜん)」などとされていることもあるが、正しくお上(かみ)の言うことに従うとすれば、表外字はひらがなで書かなくてはならず、交ぜ書きが正しいということになってしまう。
読みづらいし、「改ざん」なんて表記を見るたびに「ざん」の字ってどうだったっけ?などと思うのが煩わしくてしょうがない。こんな字を書ける必要はないと思うが、「かいざん」という言葉の意味は知っていて日ごろよく使っているのだから、漢字表記にしてもよいのではないかと思う。()で読み仮名を書いてもらったら言うことない。学校で習う習わないは別問題として、せっかく漢字文化圏にいるのだから漢字に触れる機会は多いほうが良いと思うのだけれどね。日本語の豊かさに気付くためにも。
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